スウィッチーズ @ ココ、ロンドン (9th Feb. '07)
僕らの音がグラマラス
金曜の夜のココは眠らない。というのも、毎週音楽雑誌NMEが主催するクラブ・ナイトがあり、朝まで続く最先端の音楽と、その間に披露される今勢いのある新人バンドのミニ・ライヴで、ロック好きの若者達でいつも溢れかえっているからだ。ココに限らず、ライヴ・セットを挟むクラブ・イヴェントは英国では多数あり、最近見つけた面白いバンドや、マイスペースなどで試聴し気になっているブレイク前のミュージシャン達を一足先にライヴで体験できるというお得な機会でもある。
さて、今回登場するのは、英国南東部エセックス洲出身で現在ロンドンをベースに活動する4人組、スウィッチーズ。グラム・ロックを匂わせるねっとりとした節回しに扇情的なリズムにはTレックス、ボウイの影響を感じさせるが、同時に併せ持つ突き抜けるような陽気なメロディはスーパーグラスやザ・フラテリスにも通じる、クラシックとモダーンの良い所をユニークな音作りで表現しているバンドだ。パワフルな演奏力というのではないが、ヴォーカリストのマットの安定した歌唱力に他のメンバーのコーラスも綺麗に重なり、メリハリある魅力的なメロディを活かしたバランス良いパフォーマンスだった。
時代が変われど、グラム・ロックが与えるその強烈な美意識と享楽の音の影響は計り知れない。華やかに現われては夢のように儚く消えてしまったムーヴメントの顕著な例でもあり、マーク・ボランは亡くなり、ボウイもまた大きな変遷を辿った。けれども、スウィッチーズが面白いのは、音楽的には直球でグラム・ロックど真ん中でありながら、風貌はむしろボンボンの坊ちゃん風な好青年達であるということだ。見た目から聴くか、聴いてから見るか、どちらにしても押して損は無いバンド、また出現。
-- setlist --
Testify / Snakes And Ladders / Law / Comin' Down / Every Second Counts / Lovin' It / Message From Yuz |
report and photos by kaori
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