マンホール @ 新宿レッドクロス (9th Feb '07)
飛べないロケットのパワー
さて、あなたが道を歩いてるとして、半開きになったマンホールを見つけたとする。その中を覗くかどうかという選択を迫られたしたらどうするだろう?自分は間違いなく覗いてしまう。つまり、今からの話はそんなマンホールを覗いてしまった者の戯言ではある。但し、で、断りを入れるとするならば飛び切りのものを見たという戯言ではある。
新宿はレッドクロスというライブハウスから飛び立とうしたロケット。飛び立った向こうになにがあるのかを必死に探そうとしたし、鳴らされたブギーで必死に踊ろうとした。時間にして約30分ぐらいのパフォーマンスに何を感じたのか。その意味をを今必死に考えている。結論はどうであれ。
マンホールというバンドはベースレスの3ピースバンド。(アコギ、エレキ、ドラムセットという組み合わせ。)いかつい顔をしたボーカルがアコギを抱えて吼える姿を初めて見たのはいつのことだったろうか。ある日のライブで聞いた"ロケット"という曲が素晴しく手に入れた音源を猿のように聞いていた。ちなみに、個人的な統計でいうと都内で一番ステッカーをそこら中に貼り付けているバンドでもある。新宿やら渋谷やら高円寺やら、あらゆるところで彼らの名前を目にすることが出来る。もしかしたら、あなただってもう既に目にしているかもしれない。
キレのあるアコギの音に絡み付くエレキギター。ドスのきいた声が乗っかていく。ふとブルージーなリフが突然爆発した瞬間。それはまるで散弾銃をぶっ放している感じだ。音と言葉が会場の中に撒き散らされる。パラパラ撒かれるなんて生易しいものじゃない。その爆発力はロケットが空へ飛び立つ瞬間のように力強い。息のあった3人のグルーブと伴ってグイグイと熱を上げていく。ステージの前に飛び出してギターを掻きむしる久家は挑発するような目でフロアを睨みつける。もう、絶好調だ。無駄話は一切なく、次々と曲が連打されるステージングは緊張感を生んでいく。何かを突きつけられている気分がフツフツと湧き起こってくる。それは、パワーをぶつける先を探すような気持ちの揺れだ。ここにも、あそこにもぶつけてやりたいものがあるんだ。だからギターを掻きむしるし、自分はステージから目を離せなくなってしまうんだろう。
マンホールのライブは飛び切りだった。音もそうだし、佇むメンバーの顔もそうだった。こっちの気持ちだってそうだ。必死に空に向おうとしている偽物のロケットだって僕は乗り込んでやりたいと思ったのだから。そのままに地面に落ちてしまうのか、本当に飛び立てるのか。そんなことはまあどうだっていいや。飛ぼうとしてるところが大好きなのだから。そんな、ライブを見せてくれたマンホールと何度でも乾杯をしてやりたいと思ったのだから。
春先には新しいアルバムのリリースも決まっている。さて、あなたの前に半開きのマンホールがあったとしたらどうするか。もう覗くぐらいじゃすまなくなるかもしれない。
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report by sakamoto and photos by sam
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