オーケイ・ゴー @ ココ、ロンドン (4th Feb. '07)
弾いて、歌って、踊っちゃう
歌舞伎町のホストもおののく様なド派手な衣装に身を包み、滑稽な振り付けでランニング・マシーン上を踊るオーケイ・ゴーのミュージック・クリップは何度観ても笑える。パワー・ポップを礎に、ウィーザーやゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツらに代表される、所謂"オタク・ロック"のジャンルにもしばしば形容される彼らだが、そのストレートなギター主体のサウンドと、総体して流れる楽観的なメロディには聴き手の心を軽やかにさせる何かがあるのだ。
狙い撃ちのPVから伺えるユーモアたっぷりのメンバー。しかし今夜は薄暗いステージ上で妙にシリアスな表情を浮かべ、序盤はやや固めに感じられるプレイ。だが、次第にドラムとベースの低音ラインががっしりと太い音でギター先行の旋律を基盤となって支え、徐々にバンドの音が一つに絡み合ってゆく。CDよりずっとエモーショナルなギター、花形ヴォーカリスト、ダミアンの歌声には決して際立った個性があるわけではないけれども、"ゲット・イット・オーヴァー"、"インヴィンスィブル"などは躍動感に満ちた胸躍るチューンだ。中盤で2階のバルコニーに上がり、アコースティック・アレンジした曲や優しいハーモニーが心温まる"オー・レイトリィ・イッツ・ソー・クワイエット"を披露したりと、一つのライヴにメリハリの効かせた演出も上手い。
アンコール2曲後は会場が一致で待ち望んだお約束のダンス締め。"ア・ミリオン・ウェイズ"をバックに、メンバー4人が一様に生真面目な顔を観客に向けたまま、一心不乱に仮面ライダーばりの振り付けで前後左右へと踊り出す。長時間の演奏の疲れもなんのその、彼らの息もぴったりな動きに会場は大いに沸く。モミ上げにストライプスのスーツが見目に眩しいベーシストのティムが他の誰よりも目立ち、ご満悦な表情でステージを後にしたのが何より印象的だった。アイドルばかりが歌って踊れるなんて思うなかれ。少なくともここにはいる、歌って踊れるロック・ミュージシャン、オーケイ・ゴーが。
-- setlist --
The House Wins / Television,Television / Don't Ask Me / No Sign Of Life / Good Idea Of The Time / Get It Over / A Million Ways / What To Do / It's A Disaster / Oh Lately It's So Quiet / Invincible / You Are So Damn Hot / Hear It Goes Again / encore / Return / Do What You Want |
report and photos by kaori
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