サケロック @ 札幌ベッシーホール (31st Jan '07)
愛しの白ムチくん
立った姿は七五三、歌う姿は酔っ払いサラリーマン、メンバーにはお前は「無駄」担当だと言われ…。でもエンターテナーとして輝いている、そんな男がこのバンドのフロントマン。生まれ持っての素質なのか、はたまた求められてのことなのか。サケロックには、フロントマンとしてズルいほどイケてる男がいるんです。
その男とは、トロンボーンの浜野謙太・通称ハマケン。マジメな顔で吹いているときは、ミュージシャンっぽい。でもトロンボーンを吹くのを曲の途中で放り出し、ハンドマイク片手に「やっぱ好きやねん」を歌いだしたり、ラーメン横丁でのエピソードの寸劇(これがやたらと長い)をしてみたり、荻野目洋子ばりのダンスしてみたり。それを眺めていると、メンバーが言う「無駄」の意味が本当にわかる気がする。その無駄が最大の魅力であり、最大の武器じゃないかと思わせてくれる。
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けれどその「無駄」は、サケロックの素敵な音楽がないと成り立たないわけで。前半で印象的だったのは、ギターの音が隅っこに追いやられるくらいドラムとベースで聞かせるバンドだなぁということ。ドアをコンコンッとノックして遠慮がちに入り込んでくる、そんな音楽かと思っていたから驚いた。どこかの中華街にロック居酒屋があったなら、間違いなくそこでかかっていそうな曲“ラディカルホリデー”は、ドラムが主張するハリのある曲。なんせ楽しい。どれもこれも心が踊る曲ばかりだ。こじんまりした人数と最小限の楽器のインストバンドなのに、ちっとも飽きない。飽きるどころか、次はどの曲をどんな味付けで聴かせてくれるんだろうといった感じで、CDとは少し違った雰囲気を味わうことが出来て嬉しい。
トロンボーンを吹いて歌って踊って、ゼェゼェ息切れしながら「ボクら、気持ちよくやってるように見えますか?」とハマケン。SOLD OUTで超満員のお客さんたち全員が思ってるよ、超気持ちよさそうだって!そんなハマケンを見て失笑してるのはギターの星野源。リーダーの彼がボーカルをとるクレイジーキャッツのカバー“スーダラ節“は甘く切なく、たくさんの女性がうっとりした目でステージを見つめる。今や日本一チケットが取りにくい劇団と言われている『大人計画』に在籍する彼には、「源ギャル」と言われる熱烈ファンがいるとかいないとか。
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アンコールはハマケンの独壇場。出ました!インチキ(失礼)スキャット!滑らかとはけして言えない出たとこ勝負のスキャットは可笑しい。可笑しいけど本気だ。その本気さがなぜか母性本能をくすぐり、きつく抱いてやりたくなるから不思議だ。そのテンションの高さはステージの上だけでは収まりきなかったようで、上半身裸で客席に飛び込む!が、みなさんその白くムチムチした体を触りたいのか触りたくないのか微妙な反応…。そんな、噛み付いても噛み付いても全部甘噛み…みたいな、もの悲しさもまた魅力的。
2度のアンコールを終え、それでも鳴り止まない拍手に再びハマケン登場。ベッシーホールの階段の上で突然エロ本を開き「もう何もやれません!」。ページいっぱいのオッパイ写真の残像を私たちに残し去っていく彼。白ムチボディーは、やりきった感たっぷりの汗で潤っていた。この日一番楽しそうだったのはハマケンだった。やってる本人が本気で楽しんでるのが、見る方も一番楽しいのかもしれない。ステージの上や人前でこそ輝ける男!って感じだった。
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report by rica and photos by q_ta
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