button 10フィート
@ ゼップ札幌 (28th Jun '07)

変わらないでいるということ


10-Feet
 見るたびにめまぐるしく変化していくバンドだけが素晴らしいとは思わない。見るたびに同じような事をやっているけど、飽きるどころかまた懲りずに見たくなるバンドがいる。それが10-FEETだ。

 今日のイベントはロコフランク・アシッドマン・ケムリという、会場を大きく奮わせるのにはもってこいのバンドが目白押しだったのだが、10-FEETは本当にどのバンドにも引けをとらないほど圧巻のステージを見せてくれた。「みんな一回しゃがもうや」というタクマの一言でZEPP札幌に集まった約2000人のお客さんがいっせいにしゃがみ込み、「せーの」の声でハイジャンプする様子なんかは、お客さんの気持ちをガッチリ掴み一体となった瞬間だった。立ったまま飛び上がるよりもずっとずっと高いそのジャンプを見て思うのは、心も同じだなぁということ。今がどんなにどん底でも、ダメ人間でも、一度縮んでからのほうがうんと高く飛び上がれる。そんな心の馬力を教えてくれた気がした。

10-Feet  ライブのスタートを切った曲は"VIBES BY VIBES"。腕を上げるのも窮屈なくらい詰め込まれた会場で、それでも体を激しく揺らし声を張り上げるのは、タクマがいつもMCで言うように心に溜まったウミを吐き出すためなのかもしれない。曲に合わせて様々な声を生み出すタクマのノドだが、ガラガラのダミ声にいつもより一層力が入っているのは"Freedom"。ドラムもベースも、短い持ち時間の中で全部を出し切るかのように威勢のいい音を叩き出す。

 大人になるにつれ、前向きな事を無邪気に歌うだけのバンドはあまり好きじゃなくなってしまったけれど、時々後ろ向きになってしまう心の弱さを知っている10-FEETの曲や言葉は、疲れたオバサンの心にだってひっかかりなく入ってくる。心のマッサージを受けているような気分になるから、自然とコリがほぐれて心が少し楽になる。

 この先動員数がどんどん増えてライブ会場がどんどん大きくなっても、彼らとお客さんの心の近さは変わらない。初心忘れるべからずという言葉がそこにいつまでもあり続けるから、カッコつけない気取らない言葉とスタンスで、変わらないライブを見せてくれるに違いない。変わらないということはむずかしい。手を抜けば、停滞・マンネリという言葉でかたづけられてしまう。しかし一貫した信念を持ち続けるという強さで支えられ、日々変わらずにそれでも進化し続けているバンド、それが10-FEETなのだ。

10-Feet

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"nil? [MAXI]"(国内盤 / 10-FEET - nil? - EP)
"RIVER [MAXI]"(国内盤 / 10-FEET - RIVER - EP)
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"May I help you? [MAXI]"(国内盤 / 10-FEET - May I help you?)
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