オットー @ 下北沢シェルター (16th Jan '07)
大好きな8ottoを紹介します
正直、オットーを紹介するのは複雑な気持ちだ。誰にも知らせずにこっそり聴いていたい、なんてね。だけど、シェルターに集まったお客さんたちの興奮ぶりを見たら、そんなことは言ってられないと思った。会場内の期待値濃度がハンパないんだもの。初ワンマンにも関わらず、階段やドアの外にまで人があふれている。初めて東京でライブをやった時は、お客さんが5〜6人。それからわずか1年でこの盛況っぷりだ。うん、今年は彼らの年になる(断言)。
レディース・アンド・ジェントルメン、今日本で一番かっこいいバンドを紹介します。彼らの名前は、8otto。数字の"8"と書いて"オットー"です。
「オットーの何がそんなに良いのか?」と問われれば、私の場合、それは「冷え」と「冷め」だ。身体中の血が下がって、ヒヤッとする感じ。彼らの音楽を聴くと、胸の奥にしまいこんでいた自分の屈折した部分をつかれた気分になる。10代の頃に抱えていた無常感を思い出す。魂がチクッとする... などとこっぱずかしいことを言えてしまうような、ひとりこもって音楽を聴いていたあの頃に戻るのだ。
この日のシェルターはとにかくギュウギュウで、身動きがとれないほど。それでもオットーの放射するエネルギーはフロアのすみずみまでいき渡っていた。前方の人はグチャグチャになりながら踊りまくり、後方の人はすい寄せられるように前を向いて熱い視線をそそいでいる。クールに演奏するメンバーの背後からは、湯気がたちのぼっている。お客さんの熱狂を「沸点」という言葉で表すことがあるけれど、オットーの場合は「氷点」かも。どんどん冷えて、ギューッと硬度が高まっていく感じ。このピリッとした緊張感が本当にかっこよくて、大好き。
オットーの音楽はニューヨークとかロンドンの、少し寒くて湿った空気がよく似合う。彼らのひんやりとしたグルーヴは、海外のリスナーにも受け入れられると思う。でも、まずはやっぱり国内からブレイクしてほしい。ほら、聴いてみて。日本でもこんな音を鳴らすバンドが出てきたよ。ライブの中盤、ガンガン作っている新曲の氷山の一角として披露された曲は、さらにスケール感が増していた。春の終わり〜夏頃に発売予定だというミニアルバムへの期待がふくらむ。
部屋でひざを抱えて音楽を聴いているそこのあなた。オットーのライブを見るために、外に出ていらっしゃいな。力強く地面を蹴り上げて、ライブハウスまで走っておいで。本当にかっこいいから。いや、マジで。6月の全国ツアーまで、ジリジリしながら待て。
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report by satori and photos by sam
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