ジ・アルバム・リーフ with パラ @ リキッドルーム恵比寿 (13th Jan '07)

ちょっと早すぎたかなと思いながらも、開場時間とほぼ同時に会場入りした。当然フロアはスカスカであったが、ステージ前にははやる気持ちを抑えられないオーディエンスがすでに群れをなしている。彼らはいったいどれだけこの日を待ち焦がれたのだろう。フロアを流れる音楽にゆらりゆらりと身を任せながら、主役の登場を静かに待ち続けている。
まずステージに現れたのがパラというバンド。パラはロボなどでお馴染みの山本精一が新しく組んだバンドだ。延々と繰り返されるリズムに合わせ、ステージ後方には踊るような映像が次々と繰り出される。パラに対するオーディエンスの反応は実に素直なものだった。トリッキーなリズムが繰り返される間は立ち尽くし、ドラムが4つ打ちのシンプルなビートに変わった途端に体を上下させる。1曲1曲がとにかく長く、ひたすらに繰り返されるリズムは無限地獄のようでもあるが、ふとした瞬間に気持ち良さを感じている自分に気づく。「変な音楽ばっかりですみません」という山本の言葉そのままの音楽だった。
パラの演奏が終わると共に一斉にオーディエンスがステージ前に詰め寄った。フロアの照明は完全に落とされ、視界に入るのは照明の当てられたステージと非常灯の光のみ。暗闇の中をうごめくオーディエンスがやけに不気味に感じられる。個々の期待感が大きなエネルギーとなってフロアに充満し始めた。
|
アルバムリーフこと、ジミー・ラヴェルとバンドメンバーがステージに姿を現す。今か今かとその登場を待ちわびたオーディエンスは、気持ちを声に込めてステージに届けた。フロアの様子にステージ上のメンバーの表情にはわずかに笑みが浮かんでいる。包み込むような歓声の中、静かに演奏が始まった。
歓声で迎え入れられるような音楽なのだろうか。ライブを聴きながらふとそう思う瞬間がある。アルバムリーフの鳴らす美しすぎるメロディーに同居するのは空虚感であり、ときに悲しみであったりする。その音とシンクロするのが破壊的な衝動を感じさせる青をベースとした映像だ。音と映像が僕の頭の中に描きだしたのは、草木の姿も見られない荒野の風景だった。だがもちろんアルバムリーフの引き出しはそれだけではない。ジミー・ラヴェルのささやくような歌声は、空虚感や悲しみを全て満たしてくれるかのような安らぎを与えてくれる。そんな両極端でシリアスな音楽をやっているかと思いきや、演奏中こっそりとビールを飲むジミーの姿はやけに人間味を感じさせてくれた。
そしてアンコール。ドラムによるクセのあるエイトビートが導いてくれたのはやはり"Thule(チューレ)"。アルバムリーフの出世作と言われる『In A Safe Place(イン・ア・セーフ・プレイス)』に収録される曲だ。この曲を待っていたのは僕だけではなかったようで、この日一番の歓声がリキッドルームに響き渡った。
終演後、一際盛り上がりを見せていた場所が物販だった。そこにはついさっきまでステージで演奏をしていたばかりのジミー・ラヴェルの姿がある。握手や写真撮影など、ファンの要望に笑顔で応えている。音源から伝わってこなかった人物像をここでもまた見ることができ、ちょっぴり嬉しくなった。
|
|
report by funabashi and photos by saya38
|
|
|