メルト・ウェルド feat. マジェスティック・サーカス & メルトーン @ 渋谷プラグ (30th Dec. '06)
メルト・ウェルドとはメルトーンがホストとなり、ゲストバンドやゲストプレイヤーを迎えて行われるイベントだ。2003年から始まり場所を転々と変えつつあったが、ここ1年は渋谷プラグに落ち着いている。僕が初めてこのイベントに遊びに行ったのは昨年3月のことだった。ゲストのマグノリア、迎え撃つメルトーンの演奏が共に素晴らしく、昨年遊びに行ったイベントでは最も印象深いモノのひとつとなっている。2006年の締めはゲストにレーベルメイトでもあるマジェスティック・サーカスを迎えて行われた。
17時50分。開演直前に会場に入ったがあまりの人のいなさにびっくりさせられた。15分押しで始まるとのことだったが、スカスカのフロアはオーディエンス的にも寂しいものがある。そんな心配はよそに開演予定時間である18時を過ぎたあたりから徐々に人が集まり始めた。この辺りのルーズさがジャムバンドシーンの客層のひとつの特徴かもしれない。
程良く人が溢れるフロアにまず音を流し込んだのはマジェスティック・サーカスの面々だ。丸いグルーヴとでも形容すべきサウンドは、フロントに立つ安藤恵司(Gt. & Vo.)と児玉奈央(Vo.)の2人がまとう独特のゆるい空気感と妙にマッチする。高橋学(Gt.)の奏でるギターは大空を舞う鳥の如く自由で、筋書きのないジャムセッションに彩りを与えた。高橋のみならずバンドの息の合い具合も見事で、お互いの呼吸を感じ合い、読みながらしっかり要所要所をキメていく見事さには何度ため息が漏れたことか。最近スマッシングマグでは中山うりを"音楽で風景を描くアーティスト"と称することが多いが、マジェスティック・サーカスもまた音楽で風景を描くバンドだ。
続いてホスト役であるメルトーンが姿を現した。このバンドはハイシエラ・ミュージック・フェスティバルを始めとして海外公演も多数こなしている。そのせいかフロアで踊るオーディエンスの中には外国人客の姿も目立った。マジェスティック・サーカスと同様にジャムバンドと枠にくくられることの多いメルトーンだが、鳴らされる音はポップさが全面に押し出され(ファーストアルバムのタイトルは『POP』というストレートさ)、シーンの中でもその個性は際立っている。終盤に演奏された"キャラバン"は旅をしているときに思わず口ずさんでしまう1曲で、哀愁を帯びたメロディーに絡む詩がなんとも切ない。個人的に大好きな曲だ。この日はハコが小さいせいか、ベースの低音やドラムが繰り出すビートを肌で感じられ、バンドの持つ力強さも感じることができた。
バンドはライブで強くなると言うが、マジェスティック・サーカスもメルトーンもその言葉通りライブをこなすごとに良いライブを見せてくれる。生ならではの魅力を体現してくれるジャムバンドシーン。このシーンの魅力を感じるのはやはりライブしかない。
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