メッセージ・シャトル Vol.8 ライヴ・エコ・ライヴ!「エコ・ライフ」 @ 新宿ロフト (26th Oct. '06) feat. 佐藤タイジ, ザ・ビッグヒップ, ダチャンボ & ハイウェイ61
- 楽しみながらも、考える -
この日は、A Seed Japan - ア・シード・ジャパン - (以下ASJ)主催で「ライヴ・エコ・ライヴ!『エコ・ライフ』」と題してイベントがおこなわれた。平日だったので、お客さんの入りは正直今ひとつだったけど、ちょっとしたフェス気分を味わえたのだ。それは、オーガニックフードの屋台でカレーを食べることができたり、佐藤タイジやダチャンボなどのフジや朝霧JAMに馴染みが深い人が出たりということがあるけれども、何よりも一番は、お客さんたちがフェスぽい空気を作っていたからだ。お客さんの間から「フジロックではさぁ〜」という言葉が頻繁に聞こえてくるのだ。狭いライヴハウスに閉じ込められた感じがなく、ゆったりと楽しめたイベントだった。
自分が着いたときにはタイジの演奏が終わりかけていたので、レポートできなかったけど、次にサブのステージで始まったザ・ビッグ・ヒップが面白かった。元ブルーハーツ、The3Peaceなどの梶原徹也によるドラムと、元めんたんぴん、ハイロウズなどの白井幹夫のピアノだけというシンプルな編成で、ロックンロールを基本に楽しそうに演奏している。ピアノはエフェクターやワウを効果的に使ってエレキギターのような音を出し、ドラムは気持ち良さそうに勢いで叩きまくる。この明るくて渋くもあるオヤジのロックンロールは初めて観た人も惹きつけただろう。
メインステージではダチャンボ。朝霧ジャムではアゲアゲな感じで大勢のお客さんを踊せたのだけど、この日はどちらかといえばアンビエント風のまったりとした始まりで、それから徐々に盛り上げていく。隣りのバー・スペースで耳を傾ける。自分のペースで楽しめるので、フェス気分になるのだ。
ダチャンボが終わると、佐藤タイジ、羽仁カンタ、ASJ事務局長の鈴木さと子、東京電力の佐々木緑(初の女性管理職だそうだ)の4人でトークセッション。ここに何故東京電力の人がいるかといえば、ASJが進めているリユースカップの協賛金を出したりして「意見の相違はあるものの、協力できることは協力する」関係だそうだ。まあでも、ここに東京電力の人がいるとなれば、こういう話になるんだろうなぁという予感の通り、タイジが反原発を主張すれば、佐々木さんが答えるという展開。佐々木さんも受け答えは感じよく、しかも答え慣れている様子に対して、素朴な反原発を述べるタイジは、気持ちは分かるけど、正直もうちょっと整理して話した方がよかったんじゃないかと思う。羽仁さんは本音としては反原発なんだろうけど、このトークセッションではコーディネーターゆえに、どちらかといえば中立の立場を取る。途中、客席からの発言もスリリングではあったし、野次馬的には面白かったけど、トークセッションとしては、時間も足りなかったし、上手くいったかといえば微妙だった。だけど、こういうふうに話し合いの場を持つことはよいことだと思う。東京電力の人がいることを、深読みしたり、裏読みすれば、いくらでも悪意を導き出せるけど、おれは素直に評価したい。当たり前の話だけど、やっぱり話し合わなければ、何も始まらないのだ。このトークセッションで得られたのは、東京電力はグリーン電力基金というのをおこなっていて、太陽光や風力での発電を助成しているのを知ったことだ。
このようなイベントは興味深いので、またおこなって欲しい。それとごみゼロのボランティアのみなさん、もうちょっと参加してあげようよ(笑)。
|
report by nob and photos by naoaki
|
|
|