マウント・システム 2006 @ 東京お台場オープンコート (22nd Oct '06)
ビル風に、吹き溜まるオトナ巻き起こる渦
ライヴには、ミュージシャン先導で巻き起こる拡散的な渦とオーディエンスの小さな波紋に始まる集局的な渦と、絶妙なバランスで併せ持つふしがある。ふたつの渦が均衡し共振する激烈な瞬間は、それこそ"点"としてのアーティストと"面"としての観客が時と場を同じくする醍醐味ではないか。そういった自分なりに描く考えのなか、1年を通じてこの10月21日から22日にかけて繰り広げられるライヴの意味は大きいもので、21日のロウライフと22日のマウントシステムを表裏一体のものとして捉える癖があった。しかしその考えは逆に、両イベントの違いを浮かび上がらせる発端であることに気付く。
マウントシステムは去年に続き2度目の参加となったため、やっと去年との違いを語ることができる... と思ったのだけど、そんなことは何も必要とする所でなかった。今年も相変わらずのユルい仕切りで、緊張感のかけらものぞかせない雰囲気は特有なものがあると思う。お台場フジテレビを上方に望むこの駐車場というロケーションもお気に入りスポットと思えるようになったし、集まる客層・メンツの一本気な潔さは胸を打つほどカッコイイもの。
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また、30歳を前後して痒い所に手の届くこの統括は素晴らしく、デッド・パン・スピーカーズにアブラハム・クロス、タートル・アイランド、U.G.MANからダチャンボ、そして、エコーの裏にレンチときた果てはラフィンノーズ、酸いも甘いも経たバンドばかりというか、言葉の意味通り"旬"なものもあれば逆に"旬"と呼べるベテランの熱演もあり、堪らないものがあった。
特に、今回大いに名を上げたタートル・アイランドだ。もはや卑怯の域に達する大所帯のハードコア楽宴バンドであり、その生誕を紐解けば日本のハードコアが見えてくる構造になっているところがオモシロイ。愛知は豊田出身とくれば車を浮かべるひともいれば、原爆オナニーズからナイスヴューといった名古屋史を思うひともあるだろうが、彼らはその両方を併せ持つ土着の愛知音楽集団と思われ、ハードコアを突き詰めていった結果として和太鼓やシタール、横笛など、ドラムやギターのエッヂーなサウンドに対して多彩な音色で強烈に凪いでいたのが印象的。今後メキメキ頭角を現していく様子が目に浮かぶ。
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他にも挙げればキリの無いライヴばかりだったものの、このマウントシステムが雰囲気として持つコンセプトというかシンボルというか、そういうものがあるような気がして、言葉にするなら何になるだろうと考えていた。
それはロウライフとの比較において、両イベントに出演したアブラハム・クロスを挙げると見えてくる。ロウライフにおける彼らのライヴとなれば冒頭に挙げた渦のうちオーディエンスのそれが尋常でなく、言葉にするなら観客が"できあがってる"状態にあるものの、逆にマウントシステムにおいては立場が逆転し、彼らの発散する渦が派生して大きくなっていくという過程を踏む。それは観客の年齢層に因るところが大きいのかも知れないが、マウントシステムはタートル・アイランドやレンチのように沸点のツボを押さえたバンドが実に多い。
この、環境に執着せず無骨でいて優しさと激しさの漂う雰囲気は真にハードコアやメタルに通じるものがあり、ベテラン・バンドのワンマンさながら安心感のある居心地というのは他の野外イベントにないものと思う。次回はさらに磨きのかかった熟年安心イベントとなり、年に一度の"大人の吹き溜まり"として機能することを願う。
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report by toddy and photos by ryota
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2006
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