フィーニックス @ アストリア、ロンドン(21st Oct. '06)
トレ・ビヤン
英米にはあまたいるインディ・バンドであるが、ことフランスという国に目を向けてみると存外このジャンルで活躍するミュージシャンはそう多くない。ダフトパンクエレクトロニカ系だし、ミシェル・ポルナレフ、セルジュ・ゲンズブールらの甘く退廃的な世界もまた独特である。そこにきて今夜お届けするフィーニックスはれっきとした4人編成のフレンチ・バンドであり、インディ・シーンの競争熾烈なここ英国でもコアなファンに支持されているのだ。
ヴォーカリストのトーマスからツイン・ギターのクリスチャンとローレント、そしてベーシストのデックがフットボール・クラブかいと突っ込みたくなるような赤と黒が交差した旗の中に君臨する白い不死鳥を背に、横一列に並びパフォーマンスはスタート。ドラムスとシンセサイザーをサポートにつけ最新アルバムの一曲目、"ナポレオン・セッズ"の軽快なリズムが鳴り響く。このアルバムの要所要所が初期ストロークスのリフやバンド・サウンドの雰囲気に通じ、耳心地良いギターの音色と中高音のトーマスのヴォーカルが決して主張し過ぎず、けれども十分に聴き手を気持ち良くさせる音作りとなっていて、ライヴにおいても強弱のバランスが取れた、まさにちょうど良くノれる空間をもたらしている。ディクタフォンを用いた"ラン・ラン・ラン"、"ロング・ディスタンス・コール"、"ラリィ"など、ツイン・ギターでもやかましく無い優しさと、心にすんなり入って来るメロディが生きた、小粋でお洒落なという表現がまさにぴったりの曲だ。さすがは美意識の国出身だけあってその辺りのセンスはさすが。気張らず、さりげなく、でも自分達の色はきちんと出す。スタイルの確立した中堅バンドの魅力を音楽の審美眼にかけてはうるさい英国のオーディエンスが受け入れている事実は喜ばしい。
後半の"ノース"ではインストルメンタルのみということもあり、楽器隊は、集中力を高め力強い音を鳴らしている中で、フロントマンのトーマスが床に蛙のようにひっくり返って入り込んでいるという、楽器を弾かない歌い手の、ちと手持ち無沙汰な場面もあったが、アンコールはアコースティック・ギターと共に温かな歌声を聴かせ、バンドも加わり結局4曲も披露する気前の良さ。観に来てくれてありがとうと、屈伸運動のように体をかなり前方に曲げ律儀にお辞儀するバンドのメンバー。音楽も、姿勢も実に気持ちの良い人達であった。
-- setlist --
Napoleon Says / Long Distance Call / Run Run Run / Consolation Prizes / Rally / Lost And Found / Courtesy Laughs / I Am An Actor / Everything Is Everything / North / If I Ever Feel better [encore] Love For Granted / Unknown / Funky Squaredance / Something In The Fall |
report by kaori, photos by akemixxx
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トレ・ビヤン (06/10/21 @ アストリア、ロンドン) : review by kaori, photos by akemixxx
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