浅井健一 @ 日比谷野外音楽堂(15th Oct '06)
空を見上げたくなった
家を出るときに空を見上げたら、きれいな秋空が広がっていた。浅井健一"Jonny Hell Tour"唯一の野外ステージを、こんなに気持ちのいい空の下で観られるなんて幸せとしかいいようがない。
とっぷりと日が暮れた18:00の日比谷野外音楽堂。映画『バクダッド・カフェ』に使われていた曲がSEで流れ初めると、磁石に引き上げられるように今まで座っていた満員の観客が総立ちになった。これがベンジーの吸引力。改めてその力を見せつけられた。アコギを持ったベンジーとバイオリン岡村美央、二人だけがステージへ。濃紺に染まった空いっぱいにベンジーの声が響き渡った。遮るもののない空気の中をギターも歌もどこまでも伸びてゆく。
静かに激しく流れた"幸せな人"、"空港"の後、「全員でぶっ飛ぼうぜ!」で始まった"スーパー・トンガ・パーティ"から"原爆とミルクシェイク"へとステージも客席も揺れ初める。じっと魅入っている瞬間もいいけれど、やっぱり一緒に突っ走れる時間もないとね! "危険過ぎる"ではサビのコーラスはCDのウィスパーヴォイスではなく、お客さんの大合唱だった。ベース林束紗が天に向かって突き上げた指に引き上げられるように出来上がった、お客さんとの一体感。鳥肌が立った。
中盤、再びベンジーとバイオリンのふたりで「昔の曲やるわ」で始まったのは"15才"。淡々と流れていくメロディの中で、こういう言葉選び、運び方ができるのは浅井健一だけだ、と改めて実感。風に流れたスモークがベンジーの体を包んで、オーラみたいに見えた。今回はアルバム『Johnny Hell』からの選曲が中心ではあるものの、ブランキーの曲もユダもシャーベッツも分け隔てなくやっていった。こうやって聴いてみると、バンドの名前はいろいろ変わっても、ベンジーが言いたいことは一貫しているのかな、と思う。会場にはブランキー時代からのファンも多かったようだ。言っていることにぶれがないからずっと聴いていられる、聴きたくなるのかもしれない。
アンコールを含めて全24曲。全部の曲が、今の浅井健一が出したいのはこういう音だ、という音になっていた。でも真ん中にあるものは変わらない。その潔さが気持ち良くて、空を見上げたくなった。そこには都会の明かりに負けず光る星が見えていた。
-- Set List --
SE.Calling You 1. 幸せな人 / 2. 空港 / 3. Super Tonga Party / 4. 原爆とミルクシェイク / 5. Way / 6. Rush / 7. Hello / 8. Green Jelly / 9. 危険すぎる / 10. Diduri Didura / 11. 恋のサブマリン / 12. 哲学 / 13. 15才 / 14. Hey Hey You You / 15. 人はなぜ / 16. Pola Rola / 17. 愛のChupa Chups / 18. ディズニーランドへ / 19. Skunk / 20. Devil
-- Encore --
1. 何も思わない / 2. Johnny Hell / 3. ロメオ / 4.Chiquitita Boots
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mag files : 浅井健一
空を見上げたくなった : (06/10/15 @ Hibiya Yagai Ongakudo) : report by wacchy,photos by sam
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photo report (Rising Sun Rock Festival 2006 in EZO 18th to 19th Aug '06) : photos by ikesan
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