button プライマル・スクリーム
@ Zepp Tokyo (22nd Sept. '06)

ボビー、よく働く


プライマル・スクリーム
 2回目のアンコールが終っても鳴り止まない拍手。客電も点かない。ローディーが出てきてギターのチューニングを始める。「まだやる気なんだ」と思わず口にする。今回のツアーでは、何度かアンコールをやるということをネットを通じて何となくは知っていたけど、実際3回目のアンコールなんて意外に感じたのだ。彼らはすごい働き者なのだ。

 ZEPP東京のライヴも3日目。自分の居たところはスペースがあったけど、ステージ前は熱心な人たちが陣取っていて歓声も拍手も大きい。10分押しくらいでメンバーが出てくる。マニは黒人コーラス嬢2人と腕組んで現れ、ベースアンプに何故かある「Coke, Please」のサインを指差す。マニが「Coke, Please」だとヤバイ意味になるって。ステージにはケヴィンもヤングも居ず、ボビーを中心にイネスとマニとサポートでリトル・バリーのバーリー・ガドガンがフロントを務める。

プライマル・スクリーム ライヴは"Movin' On Up"で始まる。歓声で応えるお客さんたち、サビで手を挙げる。サポートのギタリストのバリーは、は若き日のジョニー・マーのような雰囲気がある。ケヴィンの不在はかなり痛いのだが、バリーの存在は新鮮な感じがする。マニがコメディ担当なのは以前からなのだけど、訛りのきっついMCや、イネスやバリーとジャレていたり、もはや恒例となったボビーとのキスなどやりたい放題。イネスやバリーも笑顔を見せることが多くて、リラックスした空気が漂う。ボビーも「Before you slip into unconsciousness〜」とほんのちょっとだけドアーズの"Crystal Ship"の一節を歌ったり、アンコールでは"Damaged"なんて珍しいバラードを歌ったり(別の日も歌っているようだ)と、サービス精神も十分。まあでも、ボビーは最後の方でちょっと笑顔を見せたくらいで、ほとんどは無表情で何を思っているのか伺えないのだけど。

 そんなバンドから出てくるのはロックンロールだ。もちろん"Kill All Hippies"や"Kowalski"のようなダブ、"Swastika Eyes"のように鋭いビートをもつ曲もやっているのだけど、全体的な印象はやっぱりロックンロールなのだ。そして、本編ラストの"Country Girl"から"Rocks"にかけてや、アンコールの"City"などの盛り上がりを見ると、どんどんストーンズに近付いてきているように見える、というのが自分の周りでの一致した意見だった。その兆しはすでに2002年あたりからあったのだけど、今年出たアルバム『Riot City Blues』と、この日のライヴで決定的になった。2000年前後までは、バンドが様々な音楽の要素を取り入れて実験し、その変化を体験するのがプライマル・スクリームのライヴだったと思う。それから、今では一緒になってバカやって楽しむようなロックンロールパーティへ。そういう意味では最高のロックンロールパーティーだった。
プライマル・スクリーム
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