歌謡な土曜 - 渋谷で逢いまSHOW! feat. アベ・ジュリー, ザ・50回転ズ, 騒音寺 @ 渋谷屋根裏 (16 th Sept '06)
回転と共にライヴハウスをハシゴする
開演時間ギリギリに着いたとき、この日の会場である渋谷屋根裏は、すでに満員だった。一番目に出てきたのは、アベ・ジュリーというバンドである。ギター&ヴォーカルの人は、元デキシードザエモンズで、ドクターフィールグッド直系のタイトなロックンロールを得意とする。髪型がラモーンズ・カットのベーシストとフリルシャツを着たドラマーも十分に目を引く。特にドラマーはキース・ムーンのようにドカドカと手数が多いうえに、叩くときのアクションが派手だった。MCも面白くて笑わせるのは、デキシードザエモンズ時代から変わらないが、ラストに続けて演奏されたサイケデリック風のからグラムロック風の2曲は、このバンドの幅の広さを感じさせた。
お客さんたちがグッと前に押し寄せてきて、ザ50回転ズ。フジロックでもルーキー・ステージのあるパレス・オブ・ワンダーの半分をお客さんで埋めただけあって、急速に注目度を高めている。その熱気がこの日も感じられたのである。まずは"50回転ズのテーマ"でギターが唸りを上げると、いきなりステージ前はモッシュへ。
中盤は12月発売のシングルからの曲、"海賊達のララバイ"、"1976"、"放送室のメロディ"も披露。"海賊"は、彼らには珍しい雄大なオープニングが特徴な曲。"1976"はドリー作。"放送室"は多分このエピソードが元になっているのだろう。音響さんとの長いやり取りのあと、"少年院のソナタ"、そして演歌な"アタイが悪いのサ"。ロックンロールに対して、すごい情熱が込められているのに、どこかスポーンというかスコーンと突き抜けた笑いがある。ラモーンズへの愛をストレートに表した"THANK YOU FOR RAMONES"。そしてラストはいつものコール&レスポンスで"おさらばブキウギ"。このコール&レスポンスは、最初に観たときと比べ、格段に声が大きくなっている。ここ最近のお客さんも含めた成長ぶり。これを確かめに、次の東京ライヴは観た方がいいですよ。皆さん。
トリは50回転ズも敬愛する騒音寺。ヴォーカルのNABEは、エアロスミスのスティーブン・タイラーのような風貌と手をグルグルさせるアクション、他のメンバーもいかにもロックな雰囲気なのに、そして演奏自体はときに迫力あるロックな面を覗かせるのに、何故かユーモアとペーソスが漂ってくるのだ。そのギャップが面白い。これは怒髪天あたりと共通するところなんだけど、自分の弱さを認識して、自らを「風来坊」「大都会の片隅で生きるダニ」と卑下しながらも、あくまでもポジティヴであろうとする。それが熱心に支持されているところなんだろう。
また、この日は、安珍と清姫の物語をそのまま歌にした"道成寺(安珍と清姫)"をやったのだけど、こういう題材を取り上げるロックバンドはそういるものではない。ラスト近くには、50回転ズのダニーが盛り上がって最前まで行っていた。
さて、騒音寺が終ると、レコード会社の担当さんが「このあと、22:30から青山レッドシューズで50回転ズやるよ」とのことで、翌日仕事だからどうしようか悩むなあと思いつつ、やっぱり行かないといけないと、渋谷から南青山まで歩いて移動。レッドシューズはライヴハウスというよりもオシャレなバーで(何故かブライアン・フェリーの"Slave to Love"のポスターが飾ってある)、人がいっぱい。DJは古いロックンロールを流している。混雑して前が見えないくらいの状況で、音しか聞こえないのだけど、ベイ・シティ・ローラーズのカヴァーで"サタデーナイト"から始まり、珍しく"ダンスのブルース"、"お前のせいだぜ"や新曲、そしてスパイダースの"バンバンバン"、RCサクセションの"雨上がりの夜空に"など、短い時間なのに凝縮したステージになった。ダニーは机や椅子に乗っかって熱演。ダブルヘッダーなのにこんなに暴れまくっていいの? って感じだった。もちろん、彼らと共に渋谷から南青山に移動した人も多数。やっぱりこのバンドは勢いある!!
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report by nob and photos by naoaki
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