ラーリキン・ラヴ@スカラ、ロンドン (7th Sep. '06)
寵児、目覚める
見渡す限りの人、人、そして人。完全大入り、ソールド・アウトの会場スカラでは今夜の大トリ、ラーリキン・ラヴを待ち詫びる観客でごった返してまさに蒸し風呂状態。2組目のサポート・アクトが終わり、セッティングの頃からどこからとも
なく ラーリキン・コールが沸き起こる。こんなに人の熱気と期待の渦巻く様を肌で感じるのは久しぶりだ。
大歓声に迎えられステージに現われたラーリキン・ラヴ。序盤の"オン・サセックス・ダウンズ"からバンド、観客共々ピョンピョン飛び跳ねノリまくり。続く"シックス・クイーン"ではロック・サウンドを全面に、かたや"エドウッド"、"ハッピィ・アズ・アニィ"の両曲にはアイリッシュ・フォークの要素が否応無しにちりばめられた牧歌的かつ、軽快なフックでますます観客を盛り上げ、バンドの動きもエナジェ ティックである。若さ全開、という感じでこぼれる笑顔が瑞々しいったらありゃしない。モッシュ・ピットが後を絶たず、汗だくになり、もみくちゃにされつつもフロントの観客達は皆とても楽しげで、幸福そうに笑っている。フロントマン、エドワードは若干20歳ながらも人を惹き付ける容姿とオーラを兼ね備え、兄弟であるギタリストのマイコ、リズム隊のアルフィー、コズと共に、時にホーン、ヴァイオリン奏者を従えつつ、濃厚で破天荒なサウンドを生み出している。同郷のミステリー・ジェッツも牧歌的な音が特徴だが、ラーリキン・ラヴのそれには加えてスカ・パンクの影響も色濃い。"ダウニング・ストリート・キンドリング"から醸し出される豊穣でユニークなメロディで聴き手も一緒に歌い、はたまたアンコールでの"シルバ−"では思わず、「リオのカーニバルかい!」と突っ込みたくなるほどにピーヒャラ賑やかに笛が鳴り、カウベルがカンコン響くお祭りソングで心ゆくまでハッピーな1時間強を過ごしたのだった。
2月にエルボーのサポートを務めた時は正直、心の片隅にも留めなかった南西ロンドン出身の若者4人衆。リリースされるシングルをラジオで耳にする度、懐かしくもあり新しいラーリキン・ワールドの魅力にどっぷりはまってしまった。興奮度200%のライヴは彼らにあり。

-- Set-list --
On Sussex Downs/Six Queens/Edwould/John O' Riens/Happy As Annie/Meet Me By The Gataway Car/Forever Untitled/Downing Street Kindling/Love Does Furnish A Life/Burning Coast/Cucumber/encore/At The Feet Of Rae/Silver |
report by kaori, photos by akemixxx
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寵児、目覚める : (06/09/07 @ Scala, London) : review by kaori
おいしい組合せで : (06/02/21 @ The Astoria, London) : review by miyo
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