ザ・フューチャーヘッズ @ 心斎橋クラブクアトロ (4th Sep. '06)
温度差なんて
本日の心斎橋クラブクアトロ、お世辞にも決して客の入りが良かったとは言えない。だが、ライブの楽しさが客の数や会場の規模に必ずしも比例するものではないことは皆さんもご承知のとおり。今日のザ・フューチャーヘッズのライブは正にそれに当てはまるものであった。
今やこのサイズの会場で彼らのライブを楽しめるなど本国イギリスのファンはさぞかし羨ましく思うことだろう。残念ながら、日本での彼らの人気は本国のそれには到底及ばず、これを温度差と言って良いものかどうかは分からないが、このところよく見られる傾向のひとつである、「あちらでも売れたからこちらでも売れる」という図式にはどうやら当てはまってはいないように思われた。おそらく、この秋、数え切れないくらいのバンドが来日公演を行うことということもあってか、いくらひと昔前に比べてチケット代が安くなったとはいえ、まだまだ気軽にライブを見に行くということが経済的にも難しい日本の音楽ファンの中には、今回の彼らの来日公演に足を運ぶことを見送った人もいたのではないだろうか、というのはあくまで個人的な推測。
そんな余計なことを考えてしまったのは最初の3曲ほどの間だけだった。いつものようにじっと腕組みをして見ていられた時間はわずか。今年初めの来日公演は東京のみであったため見逃してしまい、自分にとっては昨年のフジロック・アフター・パーティーというショーケース・ギグ以来のライブとなる。あの時、「早くセカンド・アルバムを作って、それからまた日本にやってきて欲しい」というようなことを書いた覚えがあるのだが、それは「ファースト・アルバムが売れた後のセカンド・アルバム」という大きな壁を彼らなら越えられるという期待と希望を込めてのものだった。いくつものバンドがこの壁を越えることができずに苦しんだり、消えていってしまったり……。様々な立場の人がいて、確かにビジネスとして成り立たなければやっていけない、というところもあるのかもしれない。だが、次々と「ハヤリ」の音が作り出され持てはやされてはすぐに飽きられ、そんな使い捨てのような音楽ばかりが溢れてくると、「音楽なんて若者のもの」であって「年を取ってもかつてのように音楽なんて聞かなくなったなぁ」というセリフを吐く人たちの仲間入りをすることにもなっていくのではないかと、ふとそんなことも考えたりもしつつ、期待通りに壁を越えて生み出されたセカンド・アルバム『ニュース・アンド・トリビューツ』からの楽曲と各方面で大絶賛された(ように思う)デビュー・アルバム『ザ・フューチャーヘッズ』からの楽曲がいいバランスで演奏されたこの日のライブは本当に「見に来て良かった」と思わせるものであった。久しぶりにライブをカラダ全体で楽しませてもらった、という感じ。
一般的に来日公演初日で見られがちな「まだ時差ボケ中」というような様子は見られず。ステージが小さい分メンバー間のコミュニケーションも取りやすかったのだろうか、それともいつものことなのだろうか、楽しそうに、そして、とても真っすぐなライブ・パフォーマンス。彼らのことを指して「まだ同じことをやってるの」という意見を聞いたこともある。だが、どこの国のどんな会場だろうと変わらない彼らの姿勢、それはもちろん観客にも伝わるもので、故に、温度差なんて関係なく「楽しい」と思えるライブになるだと、半ば脱水症状気味ながらに筋肉痛確定の首を揉みつつしみじみと感じ、会場を後にしたのであった。
-- Set-list --
Yes, No / Area / Meantime / Cope / The City Is Here For You / A To B / Return Of The Beserker / Fallout / Stupid And Shallow / Skip To The End/ Favours for Favours / Hounds Of Love / Back To The Sea / Decent Days And Decent Nights / Man Ray
-- encore --
He Knows / Worry About It Later / Carnival Kids
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2006
温度差なんて : ザ・フューチャーヘッズ(4th Sep. @ 心斎橋クラブクアトロ)
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