キャプテン @ HMV、ロンドン(17th Aug. '06)
トラブルに見舞われながらも
開演まで15分という頃になって店内に突如鳴り出した火災警報機。ここ、HMVオックスフォード・サーカス店で本日午後6時より開演される予定だったキャプテンのインストア・ライヴはそんなアクシデントによって当初よりも30分以上遅れるという何ともアンラッキーな出だしではあったが、舞台に上がった彼らはサウンド・チェックもそこそこに、デビュー・シングルの"ブロウク"を奏で始めた。
瑞々しく、どこまでも伸びやかなポップ・サウンドが特徴の彼ら。ツイン・ヴォーカルのリックとクレアの歌声も爽やかに聴こえてくる。安定感のあるリズム隊と美しいコーラスに、何やらちょっと独自の世界を突き進んでいるように見えるギタリストのマリオの音色はレコードのそれ以上に、ディストーションを多用したシューゲイザー・サウンドを意識しているかのよう。甘美さと、凶暴性が同居した特筆すべきギターだ。
ザ・デュエルズ、ホワイトローズ・ムーヴメント、フィールズと、最近女性キーボーディストと男性リード・ヴォーカリストの混声バンドは良く見られるが、いずれも帯に短し襷になんちゃらではないけれども、結局はフロント・パーソンのオリジナリティに欠けた凡庸さを補う為の安易な策では、という感が否めなかった。彼らキャプテンも、聴き易いポップ・ソングを打ち出す魅力はあるものの、一番目立つヴォーカリスト自身の特徴はこれといって無い。ただ、声質が元オリジナル・ラヴの田島貴男に似ており、それが好きな人であれば曲自体は受け入れやすい甘いポップスで、こじゃれたファッション・センスなどからも、受け入れられる間口は広いと思う。
-- Set-list --
Broke / Wax / Frontline / Glorious / This Heart keeps Beating For Me / Accidie |
photos and report by kaori
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