buttonコールドプレイ @ 日本武道館 (18th July '06)

まさに世界の中心で愛を叫ぶ


Coldplay
 これほどまでに大きくなったのか。それがライブを見た後に出た第一声だった。『パラシュート』、『静寂の世界』、『X&Y』というアルバムを経て、彼らが此処まで大きなバンドへと成長するとは正直なところ予想していなかったので、この武道館と言う場所と彼らが結びつくなんて思いもしなかった。しかし、そんな考えは余所に、彼らは一流のエンターテイナーとして成長していた事実はしっかりと記憶に刻まれた。

Coldplay 初来日のライブでは人の良いお兄ちゃんといった雰囲気だったクリス・マーティンも今では立派な一児の父親であり、一流のフロントマンとしてバンドを引っ張っている。それは途中ステージの上で寝転んで熱唱したり、駆け回ったり、半ば仰け反る様な姿勢でピアノを叩く姿からひしひしと伝わってくる。大袈裟と言ってしまえばそうなのかもしれないけれど、彼の必死に歌う姿は「この歌を歌わなければ死んでしまいそうだ。」と言うような使命感を纏っているのかのようだった。私達が想像している以上に彼は純粋にこの世界を受け入れて「歌」という形で私達にメッセージを送ろうとしているのかもしれない。

 世界中で何万枚とセールスを伸ばし、バンドとしてどんどんと巨大化して行く中で、彼らは自分たちの進む道を見失う事無くやっていくことが出来たのは、"Yellow"、この曲の持つ力のおかげに違いない。一人の愛する人に向けて歌われるこの曲は、人を好きになった人なら誰でも感じたことのある感情が凝縮された普遍的な曲だ。正に黄色な巨大風船が歌の中盤で客席の上から降ってくると、盛り上がりも最高潮に達してライブの序盤にも関わらず、感情のバロメーターが振り切れそうになってしまった。

 勿論今回のアルバムからの曲もセットの中に散りばめられていて"Speed Of Sound"や"TALK"などは観客の反応も素晴らしく、彼らがスタジアム級のバンドであることを再確認させられるものであったし、「日本語のフレーズを全然喋れなくて残念だよ。」なんていうMCもあって、良い意味で客の喜ばせ方をきちんと心得ているという印象も受けた。

Coldplay とても巨大なステージにも関わらず、キーボードを真ん中にして、密集して演奏する場面では、彼らの結束力の強さを見せ付けられた。感情に任せて先走りしてしまいそうなクリス・マーティンの姿は時折見ているこちらがハラハラしてしまいそうな瞬間がある。それをしっかりと引き止める3人の姿は地味かもしれないけれど、この3人のプロ意識というか、責任は重大である。彼らの安定した演奏はまさにこの結束力の強さからくるものなのかもしれない。

 以前のリキッドルームでのシークレットライブではアコースティック・ギターを片手に、完璧なアンプラグドな状態で"Green Eyes"を歌った。勿論この武道館ではそれを聴くことが出来なかった。少し寂しい気もするが、今現在のコールドプレイにそれを期待するのは酷だ。

 アンコールの"In My Place"では観客全てを巻き込んで大合唱が起こる。たとえ一人一人の声が小さくても、声を重なり合わせることで世界を変えることが出来る。そう希望を持たせてくれるような大合唱。歌そのものが持つエネルギーの大きさを身体一杯で表現するクリス・マーティン。その気持ちがダイレクトに観客へと伝わってくる、そんなライブだった。

-- Set-list --(原文のまま)

Square 1 / Politik / Yellow / Speed of Sound / God Put a Smile / Wheat it / Don't Panic / White Shadows / The Scientist / 'Til Kingdom Come (Ring of Fire) (Trouble) / Clocks / Talk
Swallowed in the Sea / In My Place / Fix You


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