デイト・コース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン @ 渋谷オーイースト (4th Jul. '06)
7月4日に
開演5分前、フロアにはまだ余裕があった。ステージにいつもの楽器が並んでいるが、その上手にある小さいステージにもキーボードやドラムセットやパーカッションが置いてある。そのサブのステージで万波麻希。かなりの美貌の持ち主である。彼女はキーボードとヴォーカル、ベース、ドラム、パーカッション、トランペットという編成。ゆったりとした始まりから、ジャズをベースにしたサンバとか、ちょっとファンク入ったり、ピアノのインストはジョージ・ウィンストン(懐かしのウインダムヒル)みたいだったり。ヴォーカルが入ると、夜のJ-WAVEでかかりそうなオシャレな感じがするが、ちょっと『アイランズ』期のキングクリムゾンを思わせるところもあり、さわやか・オシャレだけで済まない不穏な空気も。最後の曲はヴォーカルが突き刺さってきた。
20:00、フロアはいい感じで埋まる。時間ちょうどにメンバーが現れる。菊地成孔は前回と同じようにアライグマの帽子にジャージ、そして短パンという格好である。菊地の指揮の下、栗原正己のゴリゴリしたフレーズを奏でるベースギターを核としてフリーキーなインプロビゼーション、そしてそれぞれの演奏者がソロを回していく。ジェイソン・シャルトンのディストーション・ギターが炸裂したあたりで、ちょっとファンクになり、また変拍子になったり、前回の渋谷クアトロでは使われていなかったと思われる、CDJでロバート・ジョンソン"Sweet Home Chicago"みたいな曲(間違っていたらスイマセン)を回したり、またさらにそこにソロをかぶせたりしてじらした挙句、"プレイメイトアットハノイ"でファンクなだれ込み、フロアはこれを待ってました!とばかりに、歓喜を爆発させる。そして、やらたとテンポが速くなった"構造I〜現代呪術の構造"へ。イントロの流麗さは変わらないのだけど、音のひとつひとつが生き生きとして攻撃的になっている。
そして新曲を挟んで、"Hey Joe"(ジミ・ヘンドリックスや第1期ディープ・パープルでおなじみ)のイントロが始まったときがフロアの盛り上がりが最高潮を記録した。地を這うようなベースと藤井信雄と芳垣安洋(渋さ知らズやROVOでもおなじみ)のツインドラムによる強ーーー力なグルーヴをバックに各楽器が暴れまくる様子は、敢えて言おう、これはロックである、と。菊地は常日頃から「ロックとフォークは通ってない」と言っているのは承知の上だけども、この迫力と歓喜はオレ認定でロックなのだ。そして、キーボードの坪口昌恭がショルダーキーボードを抱えて客席にダイブという事態になった。
それから、マイルス・デイヴィスのカヴァーで"Honky Tonk"。そして、ミラーボールが回り、チルアウト的な新曲"HOA-KY(花旗)"で本編を締める。最後はメンバーが一人ずつステージを去っていき、パーカッションの大儀見元が一人残って余韻を楽しむような終わり方であった。
当然のようにアンコールを求める声は大きく、再びステージに現れた菊地は野球帽にTシャツという姿だった。総勢14名のメンバーを紹介して、菊地のMCタイム。新しいアルバムのタイトルはフランツ・カフカの小説から取って『アメリカ』にするとのこと。これは『アイアンマウンテン報告』、『構造と力』に続いて本のタイトルになる。そして次のアルバムは「6枚組。そのうち音が出るのは1枚だけ。残り5枚は全部ゲームです。決して勝てないゲーム。アメリカの不条理を表現している」。というジョークに会場が笑うも、この日はアメリカの独立記念日なのだ。なんたる符合。そして、"構造V〜港湾と歓楽街の構造"へ。「周りはラブホテルばっかりだから。セックスしている人に迷惑でしょ、ポリリズムは」。もっと聴きたい曲があったけど、すでに23時を過ぎていたのだった。
なお、6月22日にnaoakiが撮影した写真を使用しています。
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report by nob and photos by naoaki
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