ブンブンサテライツ @ 新木場スタジオコースト (2nd Jul. '06)
この迫力を食らえ
今回のツアー最終日は新木場にあるスタジオコーストが会場だった。渋谷から30分強、栄えているとは言い難い駅を降り、磯が香ってくる運河を渡ると、明らかに周りとは違う存在感を発しているライヴハウスに着く。ロビーのバーカウンターや物販には人だかりができている。
6月8日の渋谷オーイーストでは、十分な迫力を見せつけた彼らなので期待の証拠のように、始まる30分前なのにフロアは人で埋まっていた。20:00、定刻通りに客電が落ちてメンバーが現れる。満員の客席から凄まじい歓声。1曲目は"Kick It Out"で、いきなりフロアは揺れ出す。ステージの後ろは、それ自身が発光するスクリーンで、さまざまな映像や幾何学模様を映し出していく。次は"Girl"と、ロック色の強い始まり方だったけれども、3曲目の"Generator"そして"Moment I Count"と一転してダンスナンバーを続ける。"Moment I Count"では、巨大なミラーボールがゆっくりと降りてくる。そして中野がベースを手にして、それまでの音にさらに重低音が加わったときのお客さんたちの反応がひときわ大きい。思えば前回の渋谷とかなり似通っているセットリストだった。けれども、同じだけど違う。それはスクリーンとかのせいだけでなく、お客さんの反応もブンブンの演奏も凄まじく気持ちが高まっていたのだろう。同じ曲をやってもこれだけの違いを生み出しているのだ。
その興奮を引き継いで"Dig The New Breed 2006"、そして"Dive For You"のイントロが聞こえてきて、スクリーンにおフロアの客さんとバンドが映るところで、鳥肌がたつほどゾクゾクして、一気に激しい演奏に突入して、ステージ前はダイバーが続出したところが、この日のハイライトだった。それから"Play"、"Loaded"、"Pill"、"Fogbound"と駆け抜けていった。"Fogbound"では電子音を撒き散らす中野がステージ前まで出てきてお客さんを煽りまくる。これで本編を締めるのだけど、お客さんたちはこれでおさまらない。
まず、最初のアンコールは"Rise&Fall"。上から見ると凄まじいフロアの揺れぶりだ。ダイバーも続出。そして生々しいロックンロールそのものである"Ghost and Shell"でさらに狂ったように踊りまくる。2度目のアンコールは"Dress Like An Angel"でストイックな音が空間を切り裂いて、電子音がそのあとの空間を満たす。この日のライヴはアルバム『ON』発売のツアー最終日というだけでなく、ブンブンサテライツが目指した「ロックとダンス」「ロックとテクノ」という融合とかいうレベルでなく、このガツーンと食らわせてくれるのがブンブンサテライツなわけで、もはやジャンルは関係ねぇよ、というところにまで到達したというステージだったのではないかと思う。
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report by nob and photos by yegg
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