ソウル・フラワー・ユニオン @ 心斎橋クラブクアトロ (23rd Jun. '06)
デカイ声だからじゃないですよ
この日の朝、偶然見つけたライブ情報だった。どうしようかと迷いながらも当日券が出ていたので中に入ってみることにした。昨年のフジ・ロック・フェスティバルでは遠くから楽しそうな歓声が聞こえてきただけでライブを見ることはできなかった。関西に住んでいるためか、おそらくデビューした頃から「ソウル・フラワー・ユニオン」というバンド名や「中川敬」という名前を目にしたり、おそらく数曲くらいはラジオなどで聞いたことがあったのかもしれない。それでも残念ながらライブ会場に足を運ぶ機会はなく(10年くらい前なんてそんな金銭的余裕は無かったし)、彼らが様々な活動を続けていくうちに、なんとなく簡単には聞けない語れない難しそうなバンド、という印象を持ってしまっていたのかもしれない。
ゆったりした空気の流れる中、いつものように後ろの隅の方で開始を待つ。曲も知らなければメンバーが何人いるのかすら分からない。日本語で歌っていても初めて聞くだけでは歌詞とて聞き取れない部分もあるだろうし、意味を理解できるほど賢くはないので、日本のバンドのライブだからと言って「言葉の壁がないから」なんて言えない。実際、やはり私には分からない言葉がいくつもあったし、MCですら「クボタが怪我をしまして」といきなり言われても何のことだかピンとこず、「キュウジ」が云々という話になってようやく「トラ」の話をしているのだと気付くありさま。ちなみに、プロ野球に興味がなくても関西で日々のニュース番組を見ていればイヤでも「トラ」ネタは知ることにもなるし、新聞各紙とて同様。
ということで、本当に何にも知らないまま会場にいて、頭を空っぽの状態にして客電が落ちるのを待ち、バンドが出てきて音を鳴らした瞬間、久々の心斎橋クラブクアトロでの大音量に耳がビックリしたものの、1曲目からどうしてだか分からないが涙が溢れて出てきた。別に歌っていることの意味が分かって感動したというわけではなかったのだが、ひとつひとつの楽器の音と中川さんの声と、それらが混ざりあってひとつになった音と、それを演奏するメンバーの表情と、それら全てがスッと心に響いてきたような感覚。洋邦問わず、いわゆる最近の(売れている)音楽には欠けているものがそこにはある。音楽や人にとって大切なもの、「根っこ」あるいは「魂」のようなものを感じたような、今まで心の中に溜まっていた汚いものがキレイに流されていったような、何とも表現しにくいのだが、そんな感覚。自分自身、なぜだか分からずと惑いつつも、始めの3曲ほどはずっと涙が止まらなかった。
ライブ運びは、さすがは10年選手(実際は10年以上だが)といった巧さ。まだ保育所通いをしているくらいの数名のチビっ子・オーディエンスとのやり取りも見事で、子連れでライブに来られるというのもこのバンドらしいところなのかなとも思ったりもしたのだが、あれだけの爆音なのだから、これから来られる保護者さんもくれぐれ最低限はお子様の「耳」を守ることだけは忘れないようにして欲しいものです(余計なお世話かな)。
ゲスト・ボーカルに内海洋子さんを迎えて英語のカバー曲も演奏。知っていたのはこれらの曲くらいだったのかもしれないが、新曲だと紹介して演奏された曲たちはかなり自分の好みな音だった。どの曲がソウル・フラワーの曲でどの曲がモノノケ・サミットの曲なのか区別がついていないけれど、7、8月にはソウル・フラワー・モノノケ・サミットでのツアーが、そして秋にはベスト・アルバム発売に伴うソウル・フラワー・ユニオンのツアーが行われるそうなので、「いいライブ」が見てみたい方は会場に足を運んでみられることをオススメします。ここでは到底書ききれないくらい濃密な2時間でしたから。
そういえば、この日初めて「クアトロってこんなにいいライブ・ハウスだったけ」なんてことも感じた。音もそうなのだが、あんなにキレイな照明の使われ方をしていたライブをこの会場では見たことがなかったもので。
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report by miyo and photos by hanasan
なお、写真は6月11日に新宿ロフトで撮影されたものを使用しています。
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2006
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