ブンブンサテライツ @ 渋谷Oイースト (8th Jun '06)
プリズナー・オヴ・(デジタル)・ロックンロール
ブンブンサテライツのライヴは熱い! この日、またそれを確認したのである。ライヴが終わったときのお客さんの表情が何よりも物語っていた。
この日は普段より遅い20:00のスタートで、お客さんも気合いの入った女の子から会社帰りの人までいろんなタイプがいて、ブンブンサテライツが幅広く支持されていることが分かる。会場では、クリックハウスらしき音が流れていて、期待が充満しているフロアをクールダウンさせる。定刻を5分くらいすぎてブンブンサテライツが登場する。ベース&機材の中野、ギター(しかも数曲はフライングV!)の川島、サポートといえどもほとんどレギュラーであるドラマーの平井の3人。そして大歓声の中、1曲目は"Kick It Out"だ。彼らのロックンロールが炸裂する。
ブンブンサテライツといえば、打ち込みの音に生音が乗るっていうイメージがあるだろうし、実際そうなのだけども、すでに打ち込み云々は超越して、生々しいロックンロールになっている。それは"Girl"や"Pill"にも現れ、1階のフロアは踊っているお客さんたちが一斉に揺れ動いている様子が見える。 生音の迫力、特にドラムがすごい"Generator"を経て、エレクトロニックなダンスナンバー"Moment I count"へ、フロアは踊ることを止めない。"Fog Bound"の派手なシンセ音もよかったけど、続く"Dive For You"のイントロが鳴ったときがこの日のピークのひとつだったんじゃないだろうか。ロックとテクノの区別なんかなく、お客さんがうねり、揺れて、会場全体がサウナのように熱気に包まれる。
新しいアルバム、"ON"からの曲がほとんどを占めたのだけど、以前から演奏されていた曲もあるので、自分には意外な感じはなく、前作、"Full of Elevating Pleasures"前後のロック色が強い路線が熟成されてきた手応えがある。MCは少なめだし、中野も川島もストイックぽい風貌なのだけども、音自体はストレートになり、間口がどんどん広がり、踊れて楽しいブンブンサテライツになっている。
アンコールは、"Rise&Fall"と"Ghost&Shell"。"Ghost&Shell"では、ちょっとタイミングが合わないところもあったけど、むしろそれは彼らのライヴ感の証明であって全くマイナスポイントではない。去り際に川島の「ありがとう」の一言、そして、はにかんだ笑顔で手を振る姿に、「そんなにキャラだったっけ!?」とちょっと驚く。
そして、もう一度アンコールに応えて"Dress Like An Angel"。この曲ができたときが一番ストイックなブンブンサテライツだろうと思う。心まで切り込んでくるような重い音なのだけど、他の曲と同じようにフロアを沸かせる。そこに今のブンブンサテライツの懐の深さがあるのでないだろうか。ツアーは始まったばかりなので、ぜひ彼らの音に触れて欲しい。
追記:会場で配られた紙を見ると、なんと、去年のフジロックでのライヴがDVDとして発売されるとのこと! あのステージの興奮がよみがえるのだ!
- set list -
1.Kick It Out / 2.Girl / 3.Pill / 4.Generator / 5.Moment I count / 6.Dig the new Breed / 7.Fog Bound / 8.Dive For You / 9.Nothing / 10.Play / 11.Loaded
- encore1 -
Rise&Fall / Ghost&Shell
- encore2 -
Dress Like An Angel
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report by nob and photos by saya38
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