buttonフィーダー @ HMV、ロンドン (3rd May. '06)

ベテランにもたらされた親密な空間

Feeder
 ロンドンに来てから、よくイン・ストア・ライヴの恩恵を受けている。初めて観たのがあのブレット & バーナードという黄金のBBコンビ、The Tearsであり、目の前で腕をかざして威風堂々と歌うブレット氏に恍惚としたあの時の気持ちは今でも忘れられない。このオックスフォード・ストリートという目抜き通りにあるHMVでは、有名無名ミュージシャンを問わず新作のリリース時に店内でミニ・ライブを催してくれるため、ファンはもちろん、気になっているバンドのチケットを買って実際にライブを観に行く金銭的余裕の無い貧乏人(特に私)にとってはまさに有り難い絶好の機会なのだ。

 今回はベテラン・バンド、フィーダーがシングル発売を記念して登場。誰でも観れる店内無料イベントとはいえ、出演者によっては事前にリスト・バンドを店から貰い、店外の専用の列に並ばなければならない場合もあり、人気の高い彼らもやはりこの例だった。開演予定時刻を遅れること約20分、バンド・メンバーが特設舞台へ。スタートの"Come Back Around"から軽快に演奏は始まり、"Pushing The Senses"や"Buck Rogers"ら、通常のライブであれば盛り上がるに違いないエッジの効いたナンバーを絡めつつ、"Tumble And Fall"でのGlant Nicholasのどこか物悲しい憂いを帯びた歌声も美しく響き、観客にしっとりとした空間をもたらす。アップ・テンポでキャッチーなメロディが印象的な最新シングル"Lost And Found"で締めくくり全編7曲。ベースのタカさんを始め、メンバーも終始笑顔で楽しそうに演奏していたのが良かった。

 フィーダーのファンが殊の外おとなしく、おりこうさんに鑑賞していたため、バンド側からするともう少し沸いて欲しかった向きもあるかもしれないが、店内での短時間ライブでは、中途半端な開放感しか得られず、盛り上がろうとしても気恥ずかしさからかなかなか体が動かない事はまた事実なのである。観客の年齢層は10代の若者から中年世代まで幅広く、この後のサイン会に目を輝かせながら向かっていった人達を見送りつつ、長く、深く愛されるバンドのまた別な魅力を見た思いがした。


-- Set-list --

Come Back Around / Pushing Senses / Just The Way I'm Feeling / Buck Rogers / Tumble And Fall / Shatter / Lost And Found


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"Pushing The Senses"
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