buttonアークティック・モンキーズ @ ゼップ大阪 (2nd Apr '06)

裸の王様はだあれ?


Arctic Monkeys
  猫も杓子も絶賛の嵐を巻き起こしているのがはシェフィールドの少年達、アークティック・モンキーズ。ネットでも紙媒体でもラジオでも「アークティック・モンキーズ」が何かの呪文を解くための合言葉であるかのように繰り返される。

Arctic Monkeys 知らずともアレックス・ターナーという固有名詞もインプットされるし、イアン・ブラウン、リアム・ギャラガー、ピート・ドハーティと良くも悪くも音楽シーンの時系列に刻まれてきた人物をもって形容されるという今の状況…正直、ポスト○○という言葉ほど胡散臭いいものはないとも思えてしまう。アルバム『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』のジャケットにタバコを銜えた男性が起用されると、少年に喫煙を促す悪影響を起こすからやめろ! なんていう騒動まで巻き起こる。これは異常事態である。だが、Magスタッフによると、各国の各メディアの評価を総合して平均値を出すというこちらのサイトではアークティック・モンキーズの評価は高いという。

Arctic Monkeys 本当のところはどうなのか…そんな疑問がポッと浮かんできたので、じゃあ、自分が行けばいいと、来日公演初日となる大阪のライヴへ行ってきた。

 あの広いステージでの可動範囲の狭さと、ゼップの高い天井と、パンパンに膨れ上がりすぎたオーディエンスのアンバランスさが、今置かれているアークティック・モンキーズとそれを取り巻く全てのものの構図を寸分の狂いもなく見せつけられているようであった。あのアンバランスさが異様な感じがしてしょうがなかった。彼らは誰よりも自分達の大きさを客観的に見る力があって、ハコに合わせたライヴをするのではなく、今現在の自分達の等身大のライヴができるバンドなのだ。決して広すぎることはないステージに均等に楽器を配置するのではなく、ステージ中央前方に窮屈に機材が置かれていたため、ステージの残り2/3は不必要なスペースだったのだ。もしかしたら彼らにとってはあの高い天井も2階席も何色もの照明も不必要でフロアもあんなに奥行きがなくてもよかったのかもしれない。

Arctic Monkeys  需要と供給のバランスが崩れまくっているから仕方がないけれど、本当のアークティック・モンキーズの魅力を最大限に感じることができるのはクアトロ・サイズの狭く暗いハコなのだろう。

 そして"ヴュー・フローム・ザ・アフターヌーン"から"アイ・ベット・ユー・ルック・グッド・オン・ザ・ダンスフロア"から始まる…ここにこの曲を持ってくればドカンとくるよね的な計算が全くない。飾ることなく曲が始まると時として指揮者のように音をまとめ、バスドラに乗って人差し指を天にかざす。必要以上にオーディエンスを煽るどころかオーディエンスに背を向け、ギターを掻きむしる。かと思うと、曲の合間にはそれまでの緊張感はどこへやら…オーディエンスからしゃべりかけられると、フツウに応えすぎるアレックス。おもむろに写真を撮り出すアレックス。あれこそが等身大のアークティック・モンキーズなのだ。そこには神々しいオーラなんてなかった。

 アークティック・モンキーズは決してメディアに作り上げられたヒーローなんかではない。メディアはオーディエンスを裸の王様に仕立てあげているだけなのではないだろうか? みんなが絶賛すれば、自分も絶賛しておかないとわかっているヤツになれないがために、ただただみんなに合わせて合唱したいがために歌詞を覚えたりしていることはないだろうか? そんなことを考えてしまったライヴだった。

写真はSXSW 2006のものを使用しています。

report by kuniko and photos by ryota

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The official site

Arctic Monkeys

www.arcticmonkeys.com

The latest work :

Arctic Monkeys

"Whatever People Say I Am Thats What I Am Not"
(UK import, US import, 国内盤)
the previous works

"When the Sun Goes Down"(US import)
"I Bet You Look Good on the Dancefloor"(UK import)

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