buttonシックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック
@ シェフィールド・ザ・レドミル (3rd Mar. '06)
マンチェスター・アカデミー・スリー (4th Mar. '06)

レディオ・プロテクター・UK ツアー2006

65daysofstatic in Manchester
「65なんとかってバンド、サマソニに来るんだってさ」そんなメールがケイタイに届いたのが英国時間3月1日の夜中2時すぎ。「寝耳に水」とはこのことか。来日の可能性など低いものだと勝手に思い込んでいただけに、寝ぼけた頭が混乱し動揺し再び眠りに就くことはできなかった。某外資系大型レコード店でセカンド・アルバム『ワン・タイム・フォー・オール・タイム』が輸入盤のみの発売ながらも試聴機に入れられていたという話は聞いたことがあったのだが、まさかこんなに早く来日が決まるとは……。

65daysofstatic in Manchester  そして、実際にライブで彼らの音を聞いた瞬間、更なる衝撃に襲われることになろうとは思ってもみなかった。これが5ヶ月前に見たバンドと本当に同じなのかと目と耳を疑うほどの進化ぶり。バンドだけではない。観客もパワー・アップしていた。都市によってはモッシュやクラウド・サーフが激しすぎて恐ろしいくらい。マンチェスターではステージに上がり追い払われた客に自分も巻きこまれ転倒する羽目に。

 終演後の大きな拍手はどこの会場でも長い時間鳴り止むことがなく、そんな観客たちの満足した表情を見ていると多少の青アザも忘れてしまえるくらい幸せな気分になっていた。

65daysofstatic in Manchester  セカンド・アルバムからの初のシングル"Radio Protector"(1500枚限定7インチ・アナログ盤。そのうちの1000枚はポラロイド写真が個別に添付)発売に伴う今回のツアーでは、過去に彼らのビデオ・クリップを手がけたザ・メディア・ラウンジという映像チームとのコラボレーションが実現。 前座のアーティストの映像も担当していた他、セット・チェンジの間もスクリーンには彼らによるユニークな映像が流されており退屈させない演出。 テレビ番組やビデオ・クリップ等から集められた様々な映像が、リミックスされた馴染み深い曲に合わせて編集されおり、時折会場からは大きな笑い声が聞かれた。現地のテレビ事情を知らない自分にはウケている理由が分からない場面もあったのは残念だったが。


The Mirimar Disaster in Manchester and Chris Clark in Sheffield  デス・メタルを彷彿とさせる歌い方のボーカリストを要するシェフィールド出身の5人組、ザ・ミリマー・ディザスターの男くさくて分厚くて重い音により幕を開けた後はガラリと趣きを変え、エレクトロニカと呼ばれる音に。 シェフィールド生まれのレーベル、ワープ・レコード(最近ではマキシモ・パークで有名)所属の非常に物静かなクリス・クラークという男性、ツマミをひねったりボタンを押したりしているだけのように見えるのだが、冷たい機械音ではなく不思議と温かみのある音を出し、 初めは腕組みをして引き気味に見ていた観客も徐々に激しさを増すビートに興奮気味。ビール片手にステージに駆け寄り何やら叫ぶ男性もちらほら。

 そんな両者の中間に位置するようにも思えるのがこちらもシェフィールド出身のシックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック。 先に述べたザ・メディア・ラウンジによる30分間の映像ショー(とセット・チェンジ)の後、客電が落ち、セカンド・アルバムの1曲目"Drove Through Ghosts To Get Here"が流れる。


65daysofstatic in Sheffield  以前アルバム・レビューにも書いたことなのだが、スタジオ録音では納まりきれないバンドである。デジタル音よりもむしろロック・バンドとしての音。音の大きさが問題なのではない。 それはやはりライブで体感してもらうより他あるまい。

 そして圧倒されている暇もなくファースト・アルバム 『ザ・フォール・オブ・マス』の中から人気の高い"I Swallowed Hard, Like I Understood"へ。同じくファースト・アルバムからの曲"Fix The Sky A Little"では日本のテレビ番組からの映像が使われていた。この曲、セット・リストでは何故か「JAPAN」と記載されているのである。 驚いたことに、早くも新曲(タイトル未定)が1曲披露されていた。


65daysofstatic with The Mirimar Disaster in Sheffield  そして今回のツアーのハイライトと言っても過言ではないであろう、セカンド・アルバムに収録されている"23kid"におけるザ・ミリマー・ディザスター(ギターとドラム)との競演。 なんとも贅沢に美しい音が何層にも折り重なっていくことか。

 2006年夏、大阪もしくは東京で、じっと聴き入るもよし、暴れるもよし。是非、ナマの彼らを体感してもらいたい。



set list
(アルバム表記)
drove through ghosts to get here/ i swallowed hard, like i understood/ install a beak in the heart that clucks time in arabic/ fix the sky a little/ mean low water/ this cat is a landmine/ new song/ await rescue/ 65 doesn't understand you/ 23kid/ retreat! retreat!/ radio protector
[encore]
aren't we all running?


review and photos by miyo

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buttonレディオ・プロテクター・UK ツアー2006 : (06/03/03 @ Sheffield The Leadmill and 06/03/04 @ Manchester Academy 3) : review and photos by miyo
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The latest work :

65daysofstatic

"One Time For All Time"
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65daysofstatic

"The Fall of Math"


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