buttonNMEアワーズ・ショー 2006 feat. ラーリキン・ラブ、
フォワード・ロシア、ザ・デューク・スピリット、エルボー
@ ジ・アストリア, ロンドン

おいしい組合せで


 開場時間の6:30。会場の外にはそれほど長くないが列はある。ダフ屋のかけ声はそれほどうるさくない。ソールド・アウトなのだがね。それほど遅れることなく開場。入口では厳しいボディー・チェック。徹底している。

 日本と違い「何が何でも最前列で見る」という人がそれほど多くないのがこの国。開場の数時間前から並び、入場と同時に最前列にダッシュするなんて光景はあまり見られない。

 この日は前座を含め4バンドの出演ということで、開場も早めだったのだが、進行も時間通りでセット・チェンジも手早く行われ、その手際の良さは見ているだけでも面白く、待ち時間が退屈だということはない。最近は日本でも前座制が取り入れられつつあるが、人手がある割にはセット・チェンジに時間がかかり過ぎなのが難点。待っている間にかなり疲れてしまう。こういうところは見習って欲しいものだ。

 Larrikin Love(ラーリキン・ラブ)、!Forward, Russia!(フォワード・ロシア)、The Duke Spirit(ザ・デューク・スピリット)、Elbow(エルボー)という出演順。NME(ニュー・ミュージカル・エクスプレス)誌が主催するNME Awardsに関連して行われたイベント。聞くところによると、サポーティング・アクト(前座)を選んだのはElbowのボーカリスト、ガイ・ガービーなのだそうな。もちろんヘッドライナーのエルボーが見たくてやって来たのだが、おいしすぎるこの前座の面々。これももちろんここまできた理由のひとつ。

 結果から言うと、この日の個人的なベスト・アクトは一番初めに登場したLarrikin Love。以前からいろいろな所で名前は目にしていた。シングル曲を聞いた限りではピンとくるものが無く、日頃からどちらかというと辛口な人達がこぞって褒めるのがなぜかをこの目で確かめたかった。だが、ライブ・パフォーマンスを見て納得。いいバンドです。ルックス(日本で売れるには重要なポイント?)もなかなかよろしく、おそらく今後最も注目される新人バンドのひとつであることは確実。思っていたよりもずっと若くて驚いたのだが、演奏も上手し、トラブルが起こった際の対処の仕方も良かった。今までどれほどの数のライブをこなしてきたのか分からないが、このバンド、おそらくレコードで聞くよりもライブの方がはるかに面白い。特に、ボーカル担当のフロントマンの不思議なキャラクターはどう表現すればよいのやら……。カリスマ性というものとは少し違った、でも独特の雰囲気を醸し出すちょっと「変わった子」。ギター、ドラム、ベース、ボーカルそしてバイオリンという構成でのステージ。 最近はいろいろなジャンルの音が混ざったバンドは多く存在するのだが、彼らもスカやレゲエ、カントリーっぽいものからロックなものまで幅広く取り入れた音を聞かせてくれるのだが、ジャンル分けということにこだわるのがバカらしくなるくらい「いちいち考えずに素直に音楽を楽しもう」という気分にさせてくれた。ライブを見ていてニヤけることなど久しぶり。大収穫。今度は是非単独公演を見てみたいと思う。

 次に登場したのは!Forward, Russia!。「!!」がバンドのロゴで、このロゴがプリントされたお揃いのTシャツが衣装。実は昨年の春に一度彼らの地元リーズで見たことがある。急成長とは言い難いが、力強さは増したかもしれない。以前から自信に満ちたパフォーマンスだったが、広いステージ上をマイクのコードをグルグル体に巻きつけながら歌うボーカル、叫ぶように歌うので何を歌っているのかやはり今回も聞き取れなかった。伝えたい言葉があるのならもう少し伝わるような工夫が欲しい、というのが個人的な感想。ネイティブの方々は聞き取れているのかもしれませんが。余談だが、ドラマーが女の子(ボーカルの妹らしい)でかわいいです。

 The Duke Spirit。現在ニュー・アルバムの準備中ということで新曲も数曲披露。特に路線変更ということもなく、紅一点のボーカリスト、レイラ・モスの魅力が余すことなく発揮されていた。彼らを見るのは約1年ぶりなのだが、レイラの「強さ」に磨きがかかっていて、コワイくらいだった。モデル並みの身長と長い手足にブロンドの髪。ステージに立つだけで華のある彼女が指先までピンと伸ばした長い手を大きく広げ、ややきつい顔をさらにしかめて歌うのだから迫力満点。ギターがふたりとベースにドラム、4人の細身の男性陣が大人しく見えてしまうのは仕方が無いか。

 ヘッドライナー、Elbow。日本盤は発売されているとはいえ、どうして日英で評価にこれ程の差があるのか理解に苦しむのだが、ライブでもアルバム同様に美しい歌声と温かい音を聞かせてくれた。バンドとしての彼らを見るのは初めてで、以前に見たギターとボーカルだけのアコースティック・セットとの違い、それは迫力でも派手な演出でもなく、バンドひとりひとりの飾らない温かさとそれに応える観客の温かさであった。言葉の壁という大きな問題もあるのだろうが、おそらくこれは日本では再現できない空気感だ。ライブとはやはり観客があってのものなのだから。

[ Setlist ]
Elbowのみ(原文のまま)Station Approach / Red / Leaders / Great Expectations / Fugitive / Mexican Stand-Off / McGreggor / Switching Off / New Born
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The Stops / Forget Myself

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