Smashing Mag / Thee 50's High Teens @ Shimokitazawa 251 (13th Feb. '06)

　きっかけはtommyから送られてきたフォト・レポートだった。ここで彼女は多くを語ってはいないが、ロッド・スチュワートの名作、"Every Picture Tells a Story"じゃないけど、一枚一枚の絵が充分にこのバンドを物語っている。キュートでセクシーなのは、もちろん。それだけのバンドだったら、掃いて捨てるほどもいるだろうし、それだけでいいんだったら、アイドルでも追いかけていればすむ。が、一連の写真の向こうから、汗まみれのむんむんした熱気が伝わってくるのだ。だから、彼女たちを撮りたいと思った。

　そして、この日、彼らを初体験することになる。ステージ上で歌い、叫び、演奏する彼女たちは写真を遙かに越えるほどセクシーでキュート。そして、同じく、そこから放たれる音楽の「熱」は、写真では捕らえきれないほどに「厚く」「熱い」。おそらく、ヨーロッパをツアーしてきた体験のなせる技なんだろう、否応なしにオーディエンスをぐいぐいと引き込むステージングやエネルギーにパワーは、この日同じステージに立ったどのバンドよりも強力なものを感じていた。身内にだけで通じる月並みな「言葉」に依存することなく、全身全霊ではじける音楽という「言語」だけで勝負する潔さは称賛に値する。

　この日、ユニークなアレンジで演奏されたマディ・ウォータースも楽しかったし、ショッキング・ブルーのカバーも面白かったが、オリジナルも負けてはいない。今や懐かしい響きを持つ表現かもしれないが、デビューした当時の弘田三枝子に与えられた言葉なんだが、「パンチのある」ヴォーカルも絶品。平山三紀のざらざら感に内藤やす子のロックなソウルがミーコに合体してしまったような...　と、そのあたりを思い出してしまった親父に、よこしまな気持ちを持たせただけで、このバンドは素晴らしいと思うのだ。

　ところで、この日のDJ、サミー前田にも脱帽でした。なんじゃぁ、あの選曲は？抱腹絶倒、目から鱗の珍曲奇曲のオンパレードに早速彼がコンパイルしたアルバムをチェックしました。素晴らしい！