ザ・マジック・ナンバーズ @ ゼップ大阪 (12th Feb '06)
ココロの余裕
品質保証付と言いたいくらい、どんな会場でも毎回安定した演奏を聞かせてくれるザ・マジック・ナンバーズ。今回のゼップ大阪でももちろん素晴らしいライブを披露してくれた。
まず登場した時の挨拶は「まいど」。定番の大阪弁。今ではそれほど日常的に使うことのない言葉なのに、どうして大阪だから「まいど」を教えるのか疑問に思うこともあるのだが、ロメオ(ギター、ヴォーカル担当)が言うとなぜか不思議と素直に「ハロー、オオサカ」と言われたような気分になる。挨拶って人柄が出るのかな。前座ということで短い時間(約40分)ながらも、MCで使うために覚えた日本語を織り交ぜ曲紹介をしたり(少し間違ったけど)、英国から追っかけて来たと思われるファンに「ハッピー・バースデー」と「日本まで見に来てくれてありがとう」を言ったり。「今回の日本ツアーに招待してくれてありがとう」とフランツ・フェルディナンドに対する感謝の言葉ももちろん忘れず。ある種独特の「いい人ぶり」は見ている者を和ませてくれる。
デビュー・アルバムからシングル・カットされた曲を中心に演奏したので、ライブを見るのは初めてでも、曲は耳にしたことがあった観客もおそらく結構いたのだと思う。手拍子をするべきところではきっちり叩いてくれていた。メロディーやハーモニーの美しさは言うまでもなく、ロックな曲ありカントリー風な曲もあり、リズム隊の重い音はライブだからこそ味わえるもの。飛び跳ねてばかりということはないかもしれないけれど、音を楽しむだけでなく味わうことのできるバンドはそんなに多くはないのではないだろうか。とかく見た目のことを言われてしまうのは……日本では売れるにも見た目が重要ということか?
序盤、"フォーエバー・ロスト"を聞きながら、なぜか涙が溢れてきた。心に余裕のない日常の世界。混雑した電車でほんの少しバランスを崩し足先が当たっただけで蹴り返されてしまうような世知辛い大阪。「セカイにヘイワを」と大きな舞台で唱えてみても程遠い現実。「所詮ロックってやつでしょ」と言われればそれまでだが、色々なことが頭をよぎり、彼らの邪念のない温かく美しい歌声がほんのひとときだけでも素直な感情を自分に戻してくれたのかもしれない。
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report by miyo and photos by tommy
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2006
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