フランツ・フェルディナンド w/ザ・マジック・ナンバーズ @ 日本武道館 (10th Feb '06)
目の当たりにするスケールアップ - part 1 -
九段下の駅の改札を出て武道館へ向かう人の波がすごい。久しぶりに来る武道館で、千鳥ヶ淵の脇を歩くと、屋台やら同じことを繰り返しつぶやくおじさんの群れとか相変わらずの光景が懐かしい。田安門をくぐると、クロークやら物販のテント辺りの賑わい見え、武道館ライヴ特有のワクワク感が漂ってきて、「フランツが武道館で大丈夫?」という心配は全くの杞憂なのであった。入口ではライヴ告知の看板を携帯電話で撮影する人たちがたくさんいる。中に入ると、アリーナはフリースタンディングだった。フリースタンディングの武道館は自分は初めてだ。
着いた時には、すでにマジック・ナンバーズが演奏を始めていた。麻○彰晃というかプロレスラーの誰かに似ているギター&ヴォーカルのが中心なんだけど、男女4人組、みんな似たような体型で見た目すごい。そんな彼らは実にやわらかいオーガニックな音を聴かせてくれた。カントリーぽい曲やギターポップファンの琴線に触れる曲あり、体型にふさわしい重々しいリズムに、体型に似つかわしい柔らかなヴォーカル、ギター、時にピアニカという組み合わせである。その組み合わせがミスマッチを起こさずに自然に同居している。その結果、強いんだけど柔らかいグルーヴを生み出しているのだ。
フランツと比べれば、素朴でマッタリとしたマジック・ナンバーズなので、お客さんの反応が心配だったのであるが、キレイなメロディーとハーモニーに会場全体が優しい空気に包まれた。ロックンロールで攻撃的でポップでダンサブル、そしてアイドル的なルックスも兼ね備えているフランツとは好対照なのだけど、この日のライヴは、お互いのバンドが持ち味を発揮して、互いのファンに魅力が伝わったんじゃないかという点で、これ以上ない組み合わせだったと思う。彼らに送られた拍手が暖かい。ちなみに、マジックナンバーズのメンバーたちは、フランツ・フェルディナンドを1階席で観ていた。あの風貌だからかなり目立つ。終演後、気付いた周りのお客さんたちから歓声が上がっていた。
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report by nob and photos by izumikuma
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