モグワイ w/あふりらんぽ @ 代官山UNIT (25th Jan '06)
原始回帰
Part 1 - あふりらんぽ
轟という、文字通り車を3つ並べた漢字。これは成り立つ仕組の一つとしてあるのだが、同じ漢字を三つ並べたものは「多い」ということを表すらしい。車3台だから、相当な勢い、力強さなのだろう。
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まあそんなわけで、モグワイを評するにあたって「轟」ほど的確で少々退屈な慣用の語も無いわけだ。「轟音が轟然と轟きました」と書けばある程度伝わりそうな気がしそうだ、ディテールは皆々様の想像力にお任せしようとして。まあそんなわけで、そういった軟着陸にてこの日のレポートを全てとする!…などとできないし、させられない。あふりらんぽも含め、書かずにはいられない強い印象を残したままだから。
それにしても、ラインナップがあふりらんぽとモグワイだ。双方共にロックバンドの基本ルートを無視し、けもの道をひた進むグループである。告知の表記だけでどうにも高揚してくるこの日は、中身もやはり... すごいものだったよ。
【あふりらんぽ】
昨年のフジロックで彼女らを初めて観、感受性のいたずらか泣きそうになってしまった。あらゆる要素を切り捨て、残されたところはメーターが振り切れるまで増幅させる…そんな原始的な音の塊に思わず震えてしまったからだろうか。
さて、この日の始まりはエレクトロニックなSEが流れる中、ゼンマイロボットのような動きで舞台袖から登場し、スカーフのような布を見つめてブツブツと何かを唱えるところから。
そのまま流れるように二つの楽器と声がガガガッ!と震えて音が始まり、ある程度そのすさまじい発電が終わればステージを降りてパンを配ったり、倒立したりとやりたい放題ノーウェーブ。スチュワート始めモグワイご一行も客席の方で爆笑していた。
ほぼ全裸の男の不思議な踊りに気を取られているうち、気が付けばライヴはあっという間に終わった。と最後まで不意打ちを喰らい続けたという意味では、その内容は面白いものであった。だがあくまで個人的な感想として、もっと純粋に音の面に重心を置いて欲しかった気もある。彼女らにとっての「パフォーマンス」と言う言葉が、さらに音楽的な側面に傾いてほしいなと思うのは、やはり私の感受性が遠回りしすぎているせいか?
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report by ryoji and photos by yusuke
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