クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー @ 渋谷クラブクアトロ (24th Jan '06)
そして日本も手を叩く
Clap Your Hands Say Yeah…私が書かずとも、多くの人が既にやらかしているだろう勘違い。それはこのバンド名にバウンシーな音楽だとか、グリーンデイばりのステージパフォーマンスだとかを想起していたよっていう勘違いだ。
それはアルバムの洗練された脱力感に触れることでまず修正され、そしてステージ上では全然静かだという噂で完全に払拭された。そんなユニークな側面も手伝ってか、最近加速度的に話題を集めているのが彼らである。
自主盤が批評家の絶賛やリスナーのブログなどを通じ、ただならぬ話題に膨れ上がったという本国での口コミ現象。そのリンクがついに日本にまで行き渡った結果の渋谷クアトロは、明らかなキャパオーバー状態。開演ギリギリに着いたのが災いして、最初は会場内に入ることすら出来ない始末である。そして開演予定時間を若干過ぎて、多くの人の期待を叶える夜が始まる。
フロアタムがゆるやかに会場を震わす"Let The Cool Goddess Rust Away"のスタートから、既にギュウギュウのクアトロはクラップハンズ色に染め上げる。前述したが、ステージ上のたたずまいはあくまでもクールなもので、特にMCなどは無く、ただただ楽器を演奏し歌を歌うだけの職人的な姿勢。だがそれを物足りないなどとはゆめにも思わない。なぜならそこから生まれてくる音が、えもいえぬ美しさに満ちているからである。
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デビット・バーンのような声でもって繰り出される、時に牧歌的で、ポップで、サイケデリックで…という一言で言い表せられない特徴的な音色。CDでも存分に味わう事が出来たそれが、さらにリラックスした形で届けられてしまうわけだ。さらに、時折ステージ後方から煌々と灯るライトがそれを助長する。その魅力はまるでそんな音色に秋晴れの麦畑にでも連れ出されたかのようである。
およそ一時間に15曲、彼ら流ガレージパンクのようなアルバム未収録曲"Satan Said Dance"など、新機軸も盛り込まれたが(そもそもアルバム自体トラックごとに変化に富んでいるが)終わってみると一貫した雰囲気を作り上げていたように感じる。そして、言える事はただ一つ。噂は間違っていなかったということだ。
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[ setlist ]
01.Let The Cool Goddess Rust Away
02.Over And Over Again (Lost And Found)
03.The Skin Of My Yellow Country Teeth
04.Details Of War
05.Graceful Retreat
06.Is This Love?
07.Cigarettes
08.In This Home Of Ice
09.Wet Dynomite
10.Gimme Some Salt
11.Satan Said Dance
12.Upon This Tidal Wave of Young Blood
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13.Clap Your Hands!
14.Me And You Watson
15.Heavy Metal
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report by ryoji and photos by keco
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