シャーベッツ @ 渋谷AX (6th Jan. '06)
澄みわたる冬の夜空
「映画音楽を聴いて育ったから、そういう音楽を作ってみたい。」シャーベッツを結成するにあたって、ベンジーはそう発言したことがあった。はたして、映画音楽を生で演奏すると、どんなことが起きるのだろう。冷え切ったあの音の世界の中心に、ギターを持って立つだけでオーディエンスを興奮させる男が立つのだ。騒ぐか、聴き入るか…シャーベッツ初体験のあたし、開演を前にちょっと戸惑う。
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暗転とともに流れてきたのは"Over The Rainbow"。ベンジーの登場に沸く客席。
「ハロー、東京ベイビーズ。」彼がギターを下げ腕を高く上げると、客席は一段と熱を帯びた。一曲目は"並木道"。シンセサイザーとともに織り成されるガラス細工のような世界。照明はどこまでも深いブルー、沈黙の中に熱を孕んだ不思議な空間。
「OK、全員でブッ飛ぼうぜ!」
MCのあとに続くギターリフで、一気に内側の熱が爆発する"High School"。そのまま、"アンドロイドルーシー"、"未来のマシン"と期待を裏切らないセットリストだ。
陰陽のバランスを巧みにあやつり、JUDEとは違う繊細な一面を見せ付けてくる。それは、まるで冬の夜空。澄みきった冷たい空気の中に浮かぶ、やさしくて純粋な月の光。気持ちがまるくなってゆくのがわかる。どうやって迎えればいいんだろうなんて迷っていた自分は既にいない、ただ成すがままシャーベッツの世界に呑まれてゆく。
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"ふくろう"などは、特に「映画音楽」の要素が強いようにあたしは感じる。静かに存在する音楽、目を閉じればそれぞれのシーンがまぶたに映るだろう。時には"グレープジュース"を前にした小さな男の子になり、また、時には"シベリア"に向かう飛行機のシートにもたれている自分を、想像できるはずだ。
…そっと、目を閉じて聴く。
"Taxi Driver"で本編終了、アンコールでは"ジョンジェットの犬"など3曲が演奏された。アンコールでようやく見かけたダイビング小僧。彼も、きっと本編中は成すがままだったのだろう。
澄みきった冬の美しさを前にしては、誰もが無口になる。シャーベッツの音には、そんな冬の匂いを感じた。
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report by yuka and photos by sam
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2005
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日出づる国よりきたサーフ : The Surf Coasters (3rd Mar @ Lava Lounge, L.A)
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新宿ロフトに太陽を連れこめ : Theatre Brook (19th Feb @ Shinjuku Loft)
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2004
WINTER SURF PARTY! : THE SURF COASTERS (30th Dec @ Shimokitazawa 440)
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