button マンホール @ 新宿レッドクロス (21st Dec '05)

ギンギラロック
Manhole
 頭をスバーンと撃ち抜かれたくて、歌舞伎町のちょっとはずれの地下にある部屋にまた足を運んだ。そう、この夜もフタを開けてみたくなったのだ。音楽ももちろんそうだけど、それだけではない「何か」がこのバンドにはある気がする。始まるまでの待ち遠しさや、ステージ前の方で聴きたいとか、純粋にファンとしてのそういった気持ちが胸を踊らせる。

Manhole  SEも何も無く、チューニングが終わりそのまま客電がフッと落ちる。その瞬間にはもうリズムとブルースのセッションが始まる。最後に久家(v&g)が声を加えて1曲目"ジェットコースター"が始まると、こう何とも言えないが、僕の中で歯車みたいなものがガチっと噛み合う。自分の気持ちと現実がリンクした時に指をパチンとスナップさせてしまうような感覚。まあとにかくバックスクリーンにスコーンと持って行かれてしまったのだ。「打った瞬間にホームランと分かりましたね」なんて解説者が言っていてもおかしくない。

 それに反応してか、ただの缶ビールがやけにウマい。酔っぱらって、何もかも取っ払っえば、音の波動が体を駆け巡る。でも、それはフロアにいる僕たちオーディエンスの話で、ステージ上の3人はいつものように、淡々と熱く吠え続ける。その姿は俗に言う「アーティスト」という、何だか遠い存在に聞こえるようなものではなく、もっと身近で、僕らが日常を過ごしていく中の生活圏で出会う人たちのように見える。八百屋のおやじや、ラーメン屋のおやじ、飲み屋の仲間。どんな人間でも輝く場所が違うだけの話で、彼らは「マンホール」という場所で一番輝いているのだ。ボ・ディドリーもサム・クックも、エルビスやカール・パーキンスだって皆、「ただの兄ちゃん」になっている時があるはずだ。

Manhole  2年前に録音された1stミニアルバム『ブギー天国』からの曲はアレンジはもちろん演奏もそして勢いまでもが違う。それは単にライヴバンドというわけじゃなく、ライヴでは本当に「今」のマンホールが出ているからだろう。それはLIVEが生き物であるということの証明のように思える。

 マンホールの彼らが「マンホール」である時のスゴさは、ステージを一回でも観ればその"片鱗"を味わえるだろう。久家のアコースティック・ギターが歪んで、坂口(g)のテレキャスターがスライドし、ショウジ(d)が静かで激しくリズムを作り出す。ブルースでもパンクでもロッケンロールでもあるマンホールの音楽と、あのギラついた渇いた目の先を確かめにきて欲しい。

report by taisuke and photos by sam

==>top page : JPN / ENG

buttonmag files : マンホール(Manhole)

buttonギンギラロック (05/12/21 @ Shinjuku Red Cloth) : review by taisuke,photos by sam
buttonphoto report (05/12/21 @ Shinjuku Red Cloth) : photos by sam
button「ひと」が歌う音楽 (05/11/26 @ Shinjuku Red Cloth) : review by taisuke,photos by sam
buttonphoto report (05/11/26 @ Shinjuku Red Cloth) : photos by sam


The official site

マンホール(Manhole)

http://surf.to/manhole



The latest album


Manhole

"ブギー天国"
check the albums?

search:
Amazon.co.jpアソシエイト

button2005

button「ひと」が歌う音楽 : マンホール (26th Nov @ 新宿レッドクロス)
buttonまだまだこれから : ケムリ (16th Sep @ リキッドルーム恵比寿)
buttonモノクロ・セピアに群がるイカしたやつら : ロッキン・ブロードウェイ (17th Jul @ 伊勢崎・クラブ・ラブ)
button愛のロックンロール : ジ・エムラルズ (14th Jul @ 新宿マーズ)
buttonピカピカ☆パレード : Black Bottm Brass Band with ゆかいな仲間たち「第15回北沢音楽祭 クリーン・アップ・パレード (10th Jul @ 下北沢)
buttonSXSW 編集後記 : (16th - 20th Mar @ Austin TX)
button本物 : Guitar Wolf (18th Mar. @ SXSW05,Beer Land Austin TX)
button言葉の壁、崩壊 : ジ・エメラルズ (18th Mar. @ SXSW05,Caribbean Lights Austin TX)
button『R指定』暗黒テーマパーク : Flametrick Subs w/Stan's Cheerleaders (18th Mar. @ SXSW05,The Jackalope Austin TX)
buttonMag Special with SXSW05 : (16th - 20th Mar @ Austin TX)
button伝説と出会った夜 : The Dirty Dozen Brass Band and The Benevento/Russo Duo (1st Jan @ Shibuya AX)
buttonDisc Review : 笑顔を作り出す素 : The Dirty Dozen Brass Band
buttonBBBBをより楽しく観る方法 : Black Bottom Brass Band (29th Jan @ Kichijoji Star Pine's Cafe)
button純粋すぎる少年 : Invisibleman's Deathbed (20th Jan @ Shimokitazawas Shelter)


button2004

buttonATTENTION!!よりCAUTION!! : THE NEAT BEATS (7th Dec @ Ebisu Liquidroom)
buttonド派手な黒色 : インビシブルマンズデスベッド (27th Oct @ Shibuya O-WEST)
buttoncolumn : 偶然出会った彼女 : 浜村美智子のこと (4th Oct)
buttonInterview : 理屈は後からついてくる - part2 - : Black Bottom Brass Band (11th July)
buttonInterview : 理屈は後からついてくる - part1 - : Black Bottom Brass Band (4th May)
button楽音 : Black Bottom Brass Band (10th Apr @ Ebisu Qu'est ce la)
buttonロックンローラーの条件って? : THE NEATBEATS (18th Mar @ Shibuya BOXX)
buttonホーン≒ピストル : Black Bottom Brass Band (17th Feb @ Shibuya BYG)
buttonDVD review : どう考えても普通の光景じゃない : Thee Michell Gun Elephant - a filmography of THEE MICHELLE GUN ELEPHANT the Complete PV collection TRIAD YEARS 1995-2002 - (5th Mar)
buttonジョニーすげぇよ! : The Johnny Boys (13th Feb @ Shinjuku DOM)
button説明不要のロックンロール : JUDE (21st Jan @ Shibuya AX)
buttonDisc Review : 『Single Complete』 : KEMURI (9th Jan)

button2003


button38歳の少年 : JUDE (28th Nov @ Zepp Tokyo)
buttonおもちゃ箱 : BLACK BOTTOM BRASS BAND (12th Nov @ Shibuya Club Quattro)
buttonイケナイコト : 東京スカパラダイスオーケストラ (26th Oct in 平安神宮奉納スペシャルライブ - NHK総合)
buttonTHE DECIBELS JAPAN TOUR 2003にて: THE NEATBAETS (22nd Sep @ CHELSEA HOTEL)
buttonルーシーの影 : Thee Michelle Gun Elephant解散...
button1999


無断転載を禁じます。The copyright of the article belongs to Taisuke Nakamura and the same of the photos belongs to Miyuki "sama" Samata. They may not be reproduced in any form whatsoever.counter
==>Back To The Top Page : JPN / ENG.