buttonギターウルフ @ 東京ジェットナイト vol.2、
代官山ユニット (16th Dec '05)

"JET"を付ければ、夜はカッコ良くなる
Guitar Wolf
 ギターウルフの企画『TOKYO JET NIGHT vol.2』、とりあえずJETさえ付けとけば何でもカッコ良くなるというウルフの信条通り、今回も目論見どおりカッコ良い夜になるのか。一番手はデトロイト7。このバンドには借りがあると勝手に思っている。ものすごくいいライヴをやった時に、オレはその凄さを伝え切れなかった前科がある。色んなカタチで少しずつ返していこうと思う。

Guitar Wolf  この日はギターウルフの企画だけあって皮ジャン率が異常に高い。デトロイト7の登場時は「最初は様子見」といった感じで、まずは遠巻きに出方を伺う輩が多かった。ところが、一曲一曲終わるごとに拍手や歓声がどんどん大きくなる。気がつくとフロアはいっぱいになっていた。いい印象を植え付けたと思う。ライヴが進むほどに菜花のマスカラが溶けて目の周りが真っ黒になっていくのが、逆にガレージの女王っぽくてエロくて素敵だった。

 二番手はSTRUGGLE FOR PRIDE。初見になる。偉そうな言い方だが「うわ、こりゃ大したもんだ」と演奏を見ながら思わずぽろりと呟いてしまった。ハードコアという音楽はパンクの進化形のくせに要求される技術ハードルが極めて高く、残念ながら"もどき"も多いのだが、このバンドの演奏クオリティはすごい。特にドラム、すでに神の領域。神速というか"風神"というか、そういう過剰なくらいの呼称が頭をよぎる。柵前はものすごいモッシュ・ピット状態になっていた。10分強のあっという間のショウだった。

Guitar Wolf  でもって待ってました、トリはもちろんギターウルフ! ビリーが急逝してからの新生ウルフ体験としては初めてになる。セイジは悲しみは完全に吹っ切った様子。今までにも増してやたらと「ジェット」と叫びまくる。この小学生的な発想がロック・キッズを最高に熱くさせる。客をステージに上げギターを弾かせ、ラストは絶対に登ってはいけないスピーカーによじ登り飛び降りてくるお約束。最初に見たときは大爆笑したが、MAG札幌のysmz(最近見ませんね。お元気ですか?)は笑うどころか泣きそうになったらしい。でも、その気持ちもわかる。

 アンコール一発目はなんと"ミサイルミー"! ビリーのヴォーカルで知られるこの曲を、新ベーシストのユージが歌う。噂では全くベースが弾けない若干19歳という話だったが、その話が本当ならこの短期間で驚くほどの成長を遂げている(ポール・シムノンみたいだな)。分厚い唇をねじ曲げるふてぶてしい姿がパンク。D.Dが抜けた後釜のC.Jラモーンもラモーンズ加入時には若干23歳だったが、このユージもこのまま第二期ウルフを支える伝説になれるか。

 そしてアンコールのラストはセイジが一人で"I LOVE YOU, OK"のカバーを弾き語る。ステージ脇から熱くその姿を見守るトオルとユージの二人。それを観て大ウケしている女性を観客の中に発見、なんとHAPPY DISPACHのnachiだ。偶然にもこの日ウルフスタッフに招待されていたらしい。終演後に話すと、「ギターウルフは何度も観てるんだけど、毎回なんか背筋を正される思いになるのよね〜」と言っていた。嗚呼、オレもそう言われる存在になりたい。とりあえず名刺の肩書きにでも"JET"を付け加えるところから始めてみようか。

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