The Coral @ Namba Hatch (05th Dec '05)
サヨナラは
春夏秋冬、たとえば同じ景色を見たとして、そこには同じようでいてそれぞれ異なる趣があるように、同じバンドのライブを季節ごとに見た場合、そこにもそれぞれに違った味わいがあった。それは単に気候や季節によるものというよりは、たまたま毎回、異なるセット・リストのライブを見ることができたからなのかもしれない。しかしながら、趣が異なるとはいってもバンドの本質的なところは何も揺るぐことはなかったのだが。
それが12月5日に難波Hatchで来日公演初日を終えたThe Coralというバンドである。
前回の来阪公演を見逃したことをずっと後悔してきたためか、やはりここ大阪で彼らを見ることができるこの日を心待ちにしていた。会場は前回とは異なるものの、規模は大きくなっており、あの当時から比べるとバンド自体も大きくなっている。
会場は決して超満員とは言えないものの、客入りは悪くない。残念ながら今回映像は持ち込まれず。開演前に流されていたのは新旧取り混ぜた渋い曲たちで、待っている時間も楽しめるのはうれしい。さて今日はどんな彼らを見ることができるのだろうかと期待しつつ、1曲目は"Spanish Main"。そして2曲目でいきなり"Goodbye"、さらに"Pass It On"と以前のヒット曲が続く。もちろん観客の反応もよい。のっけからいきなりテンションが上げられてしまうのだ。
その後は最新アルバム『The Invisible Invasion』からの曲と過去の曲とが混ざり合う構成。バンドの調子は演奏を聞く限りではいたって良さそうに見える。会場の音の聞こえ方も素晴らしい。それにしても、新しい曲に対する観客の反応がどうしても古いそれに対して劣ってしまうように見えるのは非常に残念。やはり序盤で一気に上がってしまったテンションを維持することは難しいものだったのだろうか。とは言え、手もよく上がっていたし、拍手ももちろん少ないわけではなく、決してノリが悪いわけではない。汗だくで暴れていた人が多くなかったというだけだろう。
聞いたところによると、この日のセット・リストは先月(11月)の英国ツアーと同じだそうだ。"Johnny, Remember Me"という曲を除けば、先々月(10月)に見た英国ツアーと曲目は同じではあるものの、その並び方が異なるため趣が違っていた。曲順とは不思議なもので、ほんの少し入れ替えるだけでもライブ全体がガラリと変わってしまうのだ。ちなみに、個人的に彼らの曲の中でその位置が気になるのは"Goodbye"。観客の盛り上がりが大きい曲(ゆえに全体の流れをも左右する可能性の大きい曲)である。春に見た『The Invisible Invasion』お披露目ツアーの際にはこの曲は演奏されず、夏のフジ・ロックではフェスティバルらしくいきなり1曲目だった。秋のツアーではアンコールの1曲目。そして冬の今回は2曲目だ(ちなみに1曲目は非常に短い)。夏も秋も「おぉ、さすが。」と言いたくなるような効果をもたらしていたのだが、正直、今回の位置はちょっと……。
そうとはいえ、むやみに観客を煽ることなくむしろ淡々としかし堅実にかつ高い集中力を持って演奏する彼らのライブ・バンドとしての実力は、ここ日本でももっと評価される(もっと多くの人に知ってもらう)べきだろうと思うのだが。
最後の曲"Arabian Sand"を聞きながら「いつかこの曲もアンコールの枠以外に置かれる日がくるのかもしれない。」と思いつつ、「その時はどんなライブを見せてくれるのだろうか」と今後の彼らにますます期待してしまうのであった。
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report by miyo and photos by ikesan
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