Oasis @ Yoyogi Daiichi Taiikukan (18th Nov '05)
オアシスは嘘をつかない
ファンが待ちに待った単独ライブの東京会場は、三年前と同じ、代々木第一体育館だ。原宿駅を降りると、幸せそうな顔で会場に向かう人でいっぱいだった。みんな待ちきれないといった様子で、入場口への列に加わる。大箱でのライブは、このライブ前の会場のワクワクする雰囲気がたまらない。
ザ・ラーズの"フィーリン"、ザ・ジャムの"ザ・モダン・ワールド"、ザ・フーの"5:15"と、オアシスが敬愛するブリティッシュ・バンドたちの名曲がSEで流れる。気分が盛り上がってきたところで、照明が落ちて、"ファッキン・イン・ザ・ブッシーズ"へ。『スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ』のツアー以来、すっかりお馴染みになったこのスタートは、やっぱり盛り上がる。
リアムが最初に歌った曲は、寂しげなイントロから始まる"ターン・アップ・ザ・サン"。"ハロー"で一気にボルテージをあげていった前回のツアーとは違い、淡々とした出だしだ。お客さんも、大合唱というよりは、ザック・スターキーがドラムを叩く「2005年のオアシス」にじっくり耳を傾けているといったところ。
"ライラ"、"ブリング・イット・オン・ダウン"、"モーニング・グローリー"と必殺のレパートリーが続く。でも、今ひとつ乗り切れない。そう感じていたところに飛び込んできたのが、"シガレッツ・アンド・アルコール"のあのリフだった。五曲目にしてようやくエンジン全開とばかりに、がっちりかみ合ったバンド。リアムのボーカルも、ようやく冴えてくる。
そう、この日のライブは、リアムが本当に素晴らしかった。ライブ後半の"シャンペン・スーパーノバ"に至っては、オアシス最高の瞬間が凝縮されたライブ・ビデオ、『ゼア・アンド・ゼン』の頃のリアムだと言ってしまってもいいくらい、すさまじかった。とはいえあの時のように、頭っから最後まで神懸かったように歌いきるリアムではない。むしろ「こんなもんじゃねえんだよ」といった様子で自分の胸を叩き、必死にもがきながらもなんとか調子をあげていく。そんなひたむきなリアムが、この日のステージにはいたと思う。
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だから、ゆったりとしたテンポで演奏された"リブ・フォーエバー"は、本当に感動的だった。ファンのためのお決まりの「アンセム」でも、アルコールを飲んでバカ騒ぎするためのBGMでもなかった。10年経っても全く色褪せない最高の曲を書いたバンドと、その声で人の心を鷲掴みにするシンガーが、そこにいた。ぼくが初めてオアシスを見たのは2000年のことだったけれど、こんなオアシスを見るのは初めてだった。イギリスで10万人近いファンを迎えたライブでも、こうはいかなかった。はっきりいって、泣きそうだった。心から大好きなオアシスが、リアムが、初めてこちらとしっかりと向き合ってくれたような気がした。
だからこそ、まさにベストな選曲も、一曲、一曲が心にしみた。"アクイース"、"ワンダーウォール"、"ロックンロール・スター"と、ライブが進むごとにリアムの声が良くなっていく。そんなひたむきなリアムに対して、ノエルはムラがなく、余裕のプレイ。「こんなにギター上手かったっけ!」と驚くほど、"シャンペン・スーパーノバ"では見事なソロを弾く。"マッキー・フィンガーズ"もバッチリ決めていたけれど、なんといっても嬉しかったのは、"ザ・マスター・プラン"が聴けたこと。やっぱりノエル、いい曲書くよな。
アンコールでは、サイケデリックなイントロが加わった"ゲス・ゴッド・シンクス・アイム・アベル"から、そのまま"ザ・ミーニング・オブ・ソウル"へ。二分足らずの狂ったロックンロール、"ザ・ミーニング・オブ・ソウル"はやっぱり最高。これで踊れなきゃ嘘でしょ。と、ピアノのイントロから"ドント・ルック・バック・イン・アンガー"へ。ライブではいつもノエルのギターで始まっていたので、レコード通りピアノで始まるのは、むしろ新鮮。周りを見渡すと、みんな本当にいい顔をして、歌ったり、聴き入ったりしている。
大歓声と幸せなムードに包まれたまま、ラストは"マイ・ジェネレーション"。ザ・フーのカバーのこの曲も、今のバンドはしっかりモノにしている。ここでは、本家本元のフーのメンバーに揉まれたザックが叩きまくる。柔らかい手首でスティックを振り下ろすこの人のタイコは、客席まで生音が聞こえてきそうなほど、パワフルだ。
リアムがタンバリンを客席に投げ入れて、ノエルがギターを下ろしたあとも、アンディとゲムがザックとジャムりだす。こんなところからも、バンドの調子の良さがはっきりと感じられた。そして、リアム。彼がやっと、ずっと待ち続けていた「あの声」を聴かせてくれた。本当に素晴らしい夜だった。
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--setlist--
1. Turn Up The Sun/ 2. Lyla/ 3. Bring It On Down/ 4. Morning Glory/ 5. Cigarettes & Alcohol/ 6. The Importance Of Being Idle/ 7. The Masterplan/ 8. Songbird/ 9. A Bell Will Ring/ 10. Acquiesce/ 11. Live Forever/ 12. Mucky Fingers/ 13. Wonderwall/ 14. Champagne Supernova/ 15. Rock 'n' Roll Star
--encore--
1. Guess God Thinks I'm Abel/ 2. The Meaning Of Soul/ 3. Don't Look Back In Anger/ 4. My Generation
report by rad and photos by ryota
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