Oasis @ Osaka Jo Hall (17th Nov '05)
新しいスタンダード、新しい10年の始まり
最新盤『Don't Believe The Truth』を聴かれた方はどんな印象を持たれただろうか?オアシスには変わりないけれど、手の届かない背中のどこかがむず痒いような不思議な感覚があって、じゃあ、今のオアシスを自分で確かめに行けばいいじゃない、と今回のライヴに足を運ぶことに決めた。会場をぐるっと眺めてみると、ちらほらと空席があるものの、最上段までぎっしり埋め尽くされている。"Fuckin' In The Bushes"とともにステージに6人の影が動くと、足元から地響きのように湧いてくる歓声が沸き起こる。とんでもないパワーがオアシスに向けられる。今回はスクリーンではなく、ベロアの幕にクリスマスを意識したかのような電飾が施されている…今のオアシスには映像という付加価値は必要ないようだ。
これまでのリアムな歌い方からはやや変化があり、ちょっと大味気味だが、またこれもよし。歌い出しがずれ、ドラムやギターがリアムに合わせるような場面があったがこれもご愛嬌。"Wonderwall"でテンポかキーかが気に入らなかったのか合図を送っていたくらいで、リアム自身のご機嫌は上々の様子で、全くおかしな話だが、本来なら観る側としては必要のない変な緊張感を持つことなくライヴを見届けることができた。
新譜『Don't Believe The Truth』からの曲をベースにして、名曲を挟んでいくという流れの中でも圧巻だったのが、本編中盤あたりの"Masterplan"だった。1stの『Definitely Maybe』や2ndの『(What's The Story) Morning Glory?』からの選曲は多かったものの、その他のアルバムからの選曲は少ない中で、あえてこの曲をこの流れの中で、このタイミングで持ってくるとは予想できなかったので度肝を抜かれた人も少なくはなかったことだろう。そしてこの曲でノエルが結局一番いい曲を歌うという定説を再確認。ゲムとアンディは服もシンプルで、相変わらず職人気質な雰囲気で持ってさりげな〜く、メイン・パートを弾いたり、ハーモニカ吹いてみたり、ジェイのオルガン・スペースに侵入したり…見逃してませんよ。 |
新譜で感じた違和感の一つはザックのドラムにあった。だが、その違和感が今回のライヴで簡単に払拭され、逆に今回の一番のポイントはドラムのザックにあったとさえ感じた。長年オアシスのリズムを支えてきたアランの大きな太鼓での太さという表現方法ではなく、シンプルなドラムセットから叩き出されるリズムには、ここ数年のオアシスには欠けていたドライブ感という効果をもたらし、ドラム→ベース→ギター→キーボード→ヴォーカルといい循環が生まれ、結果としてバンドの潤滑油となっていた。また、数年前からサポートとしてツアーに参加しているキーボードのジェイも、硬質な音色なピアノと、電子音なオルガンを持ち込み、主張しすぎず、打ち消されることのない絶妙なスパイスを織り交ぜる。ザックとジェイはサポートとしてステージに立っているのではあるけれど、サポートという縁の下の力持ち的な存在ではなく、今のオアシスには不可欠で、この6人で始めてオアシスと呼んでもいいのではない?と思わされた。約1時間半のライヴは青、白、赤のモッズの象徴とも言える色による照明のもと、お馴染みの"My Generation"によって幕を閉じた。
ライヴを見終わった今の私が導き出した答えは、これが新しいオアシスのスタンダードであり、新しい10年の始まりを迎えたばかりなのだ。オアシス節をただ延々とやっているのではない。私達がその緩やかな変化に気づくこともなくオアシスに対して勝手に倦怠感を抱いているだけではないだろうか?ふんぞり返っていたのはオアシスではない、私達だったのだ。王道であるかどうかなんて関係ない。オアシスはオアシスなりに緩やかながらに確実に変化を遂げていっているのだ。この緩やかな変化がある限り、オアシスはオアシスであり続ける。
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report by kuniko and photos by yegg
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