ソイ・ミュージック・フェスティヴァル feat. モダンドッグ, ウィスット・ポンミニット, クリケットパー, ウィット&ダック・ユニット @ 横浜バンクART NYK (29th October '05)
「横浜ベイエリアがタイになった日 DAY1」
- ウィスット・ポンニミット -
タイの人たちはみんな本名の他にもニックネームを持っていて、それで呼び合うのがあたりまえらしい。ウィスット・ポンニミットのニックネームはTUM。日本ではタムくんと呼ばれている。タムくんは神戸在住のタイ人のマンガ家で、アニメーション作家でもあり、ミュージシャンでもある。代表作のマンガには『everybody everything』『hesheit』があり、2004年にはよしもとばななの小説『なんくるない』の表紙の絵を描いて話題になった。タムくんの作品には独特な世界観とあたたかさがあり、なにより本人にも不思議な魅力があるので、ライブを開くたびにファンを着実に増やしている。
タムくんのライブというのは、自作のアニメーションをスクリーンに映し出し、それにピアノで伴奏をつけていくという音楽+アニメの独特なスタイルによるもの。今回のsoi music festival2005では『歯医者』『電気』『車』『親友』という4つの作品をライブで披露した。それぞれの作品の間には、マムアンちゃん(マンゴー頭の女の子)とマナオ(イヌ)の秋らしくかわいいショートストーリーも流れた。タムくんはスクリーンに映し出されるアニメーションを見ながら、ROLANDの電子ピアノで音楽をのせていく。彼のピアノには力強くて暖かい、ジャズのような雰囲気がある。アニメの作りはいたってシンプルだが、その絵やストーリーを見ているとなんだかわからないけど少し懐かしい気持ちになったり、ちょっと悲しくなったり、うれしくなったり、短い時間でいろんな感情が揺り動かさられてしまう。きっとみんなも『歯医者』での虫歯菌のちょっとへんてこな話にくすっと笑ってしまい、『電気』ではなにか重いテーマが頭をよぎり、『車』ではにっこり笑顔がこぼれ、『親友』では人生って……とすこしジーンとしてしまったと思う。
今ここにいる観客の心はきっと同じように動いているんだろうなという雰囲気があった。
私はこれまで何度か彼のライブを見てきたが、絵もピアノもどんどん上手くなっている。しかもピアノは1年前に日本にきてから独学ではじめたというのだ。さらに翌日のStylish Nonsenseのライブでは最後に飛び入りでドラムを叩き、その力強いドラムさばきですっかり場の空気を変えてしまった。そうやってタムくんはいつもまわりにいる人たちをどんどん魅了してしまう。
今回のsoi music festivalではこれまであまり知るきっかけのなかった今のタイのポップカルチャーを体感し、様々な個性をみることができた。この日タムくんにはじめて出会った人たちの心にもきっと、あたたかい風が吹いただろうと思う。
タムくんは今年の横浜トリエンナーレにも出展しているし、最近は各地で積極的に展示やライブを行なっているので、彼の世界にもっと触れてみたいひとはまたぜひ足を運んでみてほしい。その時々でまたタムくんはあたらしい魅力をみせてくれるはず。
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review by aizy and photo by izumikuma
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mag files : Wisut Ponnimit
no title : (05/10/29 @ Yokohama BankART NYK ) : review by aizy,photo by izumikuma
photo report : (05/10/29 @ Yokohama BankART NYK ) : photo by izumikuma
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