button Super Furry Animals
@ Shinsaibashi Club Quattro (20th Oct '05)

生命在るモノのチカラ


super furry animals
 クアトロで映像?大丈夫?てことがいらぬ心配だとわかったのは、フロアに入った瞬間目に飛び込んできたセピア色なスクリーンだった。レコードがぐるぐる回り、たまに「KONBANWA!」なんて手書きのメモも映し出される…今回も壁を隔てたどこかでまだ観ぬメンバーがすでにショウを始めているらしい。「PEOPLE GET READY!」というメモが映し出されると程なく客電が落ち、パパパーパパパーと『ロッキー』のテーマソングが流れ、ボクサー(もちろんメンバー)が車に乗って会場入りする。リングに上がると同時にステージにメンバーが登場、あいかわらず芸達者というか芸の細かい演出にすでにノックダウンされた。

super furry animals 2曲目に演奏された「Hello Sunshine」では赤い太陽のようなモノが上昇していくのだが、それは太陽ではなく、女性の子宮内のまだ存在しない生命体かのようで、「Hello Sunshine」と生命に対して生命が宿る力を与えるように唱える。時として、未確認飛行物体、サーモグラフィを通した表情、架空のモンスター、そしてラストに唯一はっきり人であると確認できあの男性など、スクリーンに映し出される映像と歌詞に登場してくるのは、様々な生命を持った生命体。照明は必要最低限にされ闇に浮かび上がるメンバー自身も発光するつなぎを着ていて、その表面の細かな光は遥か遠くの銀河か海底何千メートルに存在すると言われている深海生物が発する光のような神秘性を放っていた。前半は厳かに丁寧にその生命に力を注ぐようなスロウな曲を披露していく。この日のキーワードは生命、あるいはその生命が持っている力だったように感じる。

 「Receptacle For The Respectable」が終わると一瞬暗転、演劇のステージ転換かのような間合いで、第2幕が「Slow Life」で開ける。ライヴのオープニングに「Slow Life」を期待していた私には、そうきたか!とまたしてもいい意味での肩透かしを食らう。もうわかってるよ、あのヘルメットやりたかっただけでしょ?とマイクをこめかみに当てて歌うのも待ってましたの笑いの渦。そしてステージの左隅に不自然に立てられていた2本のマイクも「Juxtapozed With U」のためであれば納得し「Lazer Beam」への極上のメロディ・ソングの流れから「Calimero」まで疾走したフロアは、オーディエンスの至福感で充満した。

super furry animals そしてラストの「The Man Don't Give A Fuck」の前に英語を話す聞き覚えのある男性の声が響く。その男性は「F**k」「F**k」と繰り返す…その男性とは、現アメリカ合衆国大統領、ジョージ・ブッシュだった。2年前と変わらないのはスクリーン内でご満悦な表情で話すジョージ・ブッシュだけであり、状況は混沌を極めている。自分の目の前にいる人たち(Super Furry Animalsの面々)とスクリーンの中で動くあの男性…同じ生命を持っているのに、その生命体がもつ生命力、影響力、破壊力、説得力、支配力…その他、全ての力の行使のされ方のギャップに愕然とさせられた。

super furry animals 最後は意外にあっさりとステージを去って行くのに少しの寂しさを覚えたのもつかの間…「大阪のみなさまありがとう」、そして映画のエンドロールのようにメンバーが写し出され、最後には阪神タイガースのロゴマーク、食い倒れ人形、かに道楽、道頓堀のネオン街と心憎い演出が待っていた。本当にどれだけ人を楽しませたら気が済むヤツなんだ!あの時間を共有した人はさらにフリークになったことだろう…でも、来日直前のイギリスでの公演を観たスタッフから届いたメールの「イギリスと日本の温度差はすごいよ」という一文が引っかかってしょうがない。きっとこんなもんじゃないんだ…そうなれば次はイギリスでコイツらを目撃したいと遠くイギリスを見る私であった。


-- setlist (原文のまま) --

INTERNATIONAL LANGUAGE / HELLO SUNSHINE / ZOOM / ATOMIK LUST / THE HORN / OHIO HEAT / RUN! CHRISTIAN / CLOUDBERRIES / FREQUENCY / ICE HOKEY HAIR / RECEPTICLE / SLOW LIFE / JUXTAPOSED / LAZER BEAM / RINGS AROUND THE WORLD / DO OR DIE / SOMETHING FOR THE WEEKEND / CALIMERO / THE MAN DON'T GIVE A FUCK
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