buttonユダ @ 渋谷AX (7th Oct '05)

夢うつつ
Jude
 7月から始り、長い期間をかけて全国を回ってきたユダの"Electric Rainbow Tour"。満員の観客の中、渋谷AXでファイナルを迎えた。ベンジーのレプリカみたいな人からスーツのサラリーマン風、制服姿の女子高生と客層は相当幅が広いけれど、ユダが東京に戻ってくるのを待ちに待っていた、という気持ちは一緒らしい。開演時間前から、流れているBGMが途切れようものなら、すかさず「ベンジーコール」が始まる。「もう待ちきれないよ…」誰かのそんな声が聞こえた次の瞬間、客電が落ち、やっとロック・ショウの幕が上がった。

Jude  1曲目の"毒りんご売り"のイントロが流れると、吸い込まれるように人が前へ前へと飛び込んでいく。ベンジーの声とそれに魅せられたように狂喜に光る観客の目、幻想的な照明。そんな光景が重なって、これは夢か現実なのか? よくわからなくなった。「悲しいね、この世界。戦争とか洪水とか(愛のChupa Chaps)」のメッセージは現実味があって苦しくなるけど、すっごいカッコよく「Give me 冷麺」とか唄ってるベンジーは不思議すぎて夢みたいだ。気持ちいい夢の中でエレキギターが奏でる"メリーさんの羊"のフレーズを一心に聞いていたと思ったら、"Silvester &Johnny K"で一気に目が覚める。本当は全部現実。だけど全部が夢のような気もする。

Jude  ライヴ中盤、Dr.の城戸がピアノを弾くシーンがあった。"Rock Show"のイントロでほんの少しだったけれど、ピンスポットに照らされた姿はなんだか芸術的だった。この人の才能はどこまで広がっているのだろう? 自分でやっているバンドではギターを弾いていると聞くし。ピアノの旋律につなげてフィンガークラップを鳴らす兄貴2人に負けない存在感だった。(余談だけれど、この曲の歌詞を聞くと、ユダのライヴに行く直前の気持ちを思いだすのは私だけだろうか?)

 ほとんど立ち止まることなく駆け抜けたライヴはあっという間に後半へ。"ロシアビリー"で一気に上がったテンション。"カリブの海賊の宴会"、"DEVIL"に突入するころにはフロアは狂乱の海となっていた。「I'm Rock' n roll Man!」のフレーズに「Yes!!」とばかりに応える観客の腕、腕、腕…。ステージが包まれて見えなくなっていった。

 2度目のアンコールはちょっと意外な始まり方をした。今日のライヴ本編はスローな曲は数曲しかなく、ダーっと突っ走っていく印象だったのだが、ここにきて静かにギターが鳴いた。少しだけ立ち止まって"本当の世界"を振り返ってみた、そんな感じだった。これで終わり…でも美しかったけれど、やっぱり最後は思いっきり踊って帰りたい。"Happy Days"から「全員でタップダンス踊ろうぜ!」で" Chiquitita Boots"へと繋がり、思うさまジャンプして歌って、ステージもフロアも大満足の笑顔となった。これが今日の、そして長かったツアーのラストだった。

 目が覚めると忘れてしまう夢と鮮明に記憶に残る夢がある。このライヴは間違いなく後者の方だった。

Jude
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