Soul Flower Union @ Liquidroom Ebisu (1st Oct '05)
花飾りはつむがれる
困った人々の前に、ソウル・フラワー・ユニオンあり。その国境を越えた活動の経歴は、"GHOST HITS"のブックレットでも確認できるが、とにかく災害や争いがあるごとに動いて希望を与えるバンド。あたしの中で、ソウル・フラワー・ユニオンはそんな印象がある。
「おめでとうー!」
暗転の中、突然中川敬の叫びが響く。ステージに明かりがつくと、キーボードの脇には阪神優勝と大きく書かれたスポーツ新聞らしきものが。
中川いわく「俺らの宗教」、阪神タイガースの優勝に客席からも拍手が。「これで拍手するってのもどうよ?」と笑う奥野(Key.)に、「いやいや、今日はいいお客さんに恵まれた。」と返すジゲン(B.)。和やかな、あくまで平和的なムードの中、ライヴは始まった。
「ここくる前にな、車やられてもうて。ゴム焼ける臭いしてんのに奥野が平気やって。で、サービスエリアいったら煙ぶわーって。」と、東京へくるまでのエピソードを語る中川に「でも、煙、綺麗やった。」と返す奥野。いやいや、綺麗とかいう問題じゃないって。
「まあ、そんなんですが、今日は"ロロサエ・モナムール"からの曲をばんっばんやります! …車壊れようがな。」
「まあ、そんなんですが、今日は『ロロサエ・モナムール』からの曲をばんっばんやります! …車壊れようがな。」
そんな男らしいMCの後、演奏されたのは"星降る島〜オーマルシーラ・オーウルシーラ"。ポルトガルや日本に占領され、その後もインドネシアに攻撃されつづけ、やっと独立した東ティモール共和国のことを歌った歌だ。静かに聞き入るオーディエンス。続いて "無防備な女の子とドタ靴の俺"に、"パンチドランカーの夢"。演奏力のハンパない高さと中川の強い声がかみ合った瞬間、本当に、このバンドの渋さが際立つ。
かと思えば、上村美保子 (桃梨)によるお囃子タイムで岐阜民謡から"春駒"と"初竹"。中川が三線を持って歌う100年前の歌"ああ わからない"、そしてジゲンによる、ものすごくファンキーな"秋田音頭"。おちゃめな面も見せながら、ライヴは怒涛のごとく進行する。
「見世物小屋からコニャニャチワー」
イントロから一斉にオーディエンスが沸き、会場内はカチャーシーの渦。そのまま一気に畳み掛けるように、"零年エレジー"をはさんで"アル・ファジュル"へ。大虐殺を揶揄する詩に、スカ・ビートが会場のテンションを最高にハイにする。
「どうもありがとう! もう、声でぇへんからね。ほんまありがとう。博多、チケット余ってるから博多で会おな(笑)。」
何度となく咳き込んでいた中川が喉をおさえ、そう言い残してステージを去る。だが、客席からはアンコールがやまない。結局、 "リキサからの贈り物"や、"海行かば山行かば踊るかばね"など、なんと3回のアンコールで5曲を演奏した。
「もう俺の声のこととか気にせんといてな、やるぞぉ!」
沸き立つ客席に苦笑して、掠れた声のまま絶叫する中川敬は、本当に逞しく見えた。このタフさ。歌うことへの責任感の強さ。いいねぇ、男だねえ。こんなにも人間は強い、それだけで希望が胸に灯る。
いつか、全世界中の願いがひとつに結ばれるまで。彼らはきっと、これからも国境を越えて、希望という花飾りをつむぎつづけるだろう。 |
report by yuka and photos by naoaki
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2005
まだまだこれから! : ケムリ10周年記念ライヴ with イースタンユース、横山健、ザゼン・ボーイズ (17th Sept. @ Liquidroom Ebisu)
外へ : ウエノ・ポエトリカン・ジャム3 〜声と言葉のビッグバン!〜 (4th Sept. @ 上野水上野外音楽堂)
サーフ・マニア : ザ・サーフ・コースターズ (13th Aug @ Shibuya O-Crest)
爆裂ロマンチック : ハッピー・ディパッチ (7th May @ Aoyama Red Shoes)
彼方より強風 : RUBBER☆CORN☆LOVER (1st May @ Yokohama B.B.STREET)
母胎ノイズ : Sonic Youth (16th Mar @ Shibuya O-East)
日出づる国よりきたサーフ : The Surf Coasters (3rd Mar @ Lava Lounge, L.A)
三匹が斬る! : The Surf Coasters (26th Feb @ Ebisu Guilty)
ミルクティース入門 : ミルクティース (26th Feb @ Ebisu Guilty)
新宿ロフトに太陽を連れこめ : Theatre Brook (19th Feb @ Shinjuku Loft)
意識 : Theatre Brook (23th Jan @ Shibuya AX)
轟音デンデケデケデケ : Happy Dispatch (25th Jan @ Shibuya Aoi Heya)
Interview with The Surf Coasters (中シゲヲ) : サーフコースターズと呼ばれた男 (21st Jan)
2004
WINTER SURF PARTY! : THE SURF COASTERS (30th Dec @ Shimokitazawa 440)
CD review : PRIVATE RECORDINGS vol. : THE SURF COASTERS (6th Jan)
決して死なないロックンロールを貫きます。 : Gasolines (18th Dec @ Yoyogi Labo)
トナカイが舞う夜 : Kemuri (25th Dec @ CLUB CITTA' KAWASAKI)
DVD review : THE SURF COASTERS ON STAGE! : THE SURF COASTERS (30th Dec)
CD review : 教育 : 東京事変 (25th Nov)
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