Special Others @ Daikanyama Unit (17th Sep '05)
主役でピラニア軍団
冠のライブは初めてということで「緊張するなぁ」とこぼしていた芹沢優真(Key.)。しかし、ライブ前の雑談では、やはり力の抜けた感じで、プロレスのテーマ曲を口ずさんだりしている。勝負といえばプロレス、兄ちゃん達のいかにもな発想はてらいがない。直前には、全員で円陣をつくり手を重ねる。部活動などでよく見た光景だ。
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アフリカの草原にこだまするようなSEに誘われ、5メートルの円内に機材と共におさまったメンバーは、淡々とチューニングだとか、サウンドチェックをはじめている。と思いきや、いつのまにか演奏に突入し、縦ノリのビートを繰り出す。オーガニックサウンドでゆらゆらと漂うだけがスペシャルアザースではないと改めて思い知らされる。一瞬の間に感じた物事を増幅して、いともたやすくハコ全体に充満させた彼らは、ライブ前の言葉で感じたチャレンジ精神の段階をとうに抜け、オーディエンスひとりひとりの表情を確認できるまでになっていた。
ビートルズ"All My Loving"のイントロのような3連ギターリフや、さざ波を生むショットが要所で折り込まれて、気づけばヤマ場が展開している。すべてが「いつの間にか」なんである。アイコンタクトや、突っかけたサウンドに対するカウンターがそのまま着火ポイントとなり、オーディエンスはいとも容易くさらわれて、飲み込まれて、丸め込まれる。アドリブがやたらあるもんだから、バンド内部での裏切りもあって、その度にステージ上ではニヤリと笑いがこぼれる。天の邪鬼なひとたちであるが、それもこれも4人のフィーリングと幼なじみの意地の張り合いからくるもの。メンバーですら予期せぬ急展開を楽しんでいるようで、セオリーなど何処吹く風といった具合だ。きっかけを作る者を仮に主役とするならば、先を越された残りのメンバーは「ピラニア軍団」(『仁義なき戦い』知ってる?)となってしつこく食い下がり、主役を喰うほどのパフォーマンスをしてしまう。誰もがTPOに応じて主役になったりピラニア軍団になれる関係性が、まとまったグルーヴを生み出すきっかけとなっているのだ。
オーディエンスの数だけ画が生まれ、映画が生まれる。自然な感じがカッコいいなぁと思わせる反面、MCはぎこちなくて微笑ましい。もっとも、ただのええかっこしいなら、ステージの中心にちんまりと収まったりはしないのだ。
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report by taiki and photos by yusuke
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mag files : Special Others
主役でピラニア軍団 : (05/09/17 @ Daikanyama Unit) : review by taiki, photos by yusuke
photo report : (05/09/17 @ Daikanyama Unit) : photos by yusuke
photo report : (05/06/10 @ Maebashi Club Fleez) : photos by yusuke
photo report : (05/06/01 @ Daikanyama Unit) : photos by yusuke
photo report : (05/02/04 @ Ebisu Milk) : photos by yusuke
photo report (04/10/05 @ Shibuya Chelsea Hotel) : photos by yusuke
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