K' DO, Taeko Onuki @ Yokohama Motion Blue (14th Sept. '05)
突然の贈り物
実は最近全然チェックしてなくて知らなかったのですが、大貫妙子さんが新ユニットを結成していました。
もし、いつものボクをご存知の方がいらっしゃるなら一瞬「何を言うか」と思ったことでしょう。というのも、やはりロック、しかもここSmashingMagではかなり偏ったものばかり追い続けている自分、実はこんなレポートもやっていたりと、素敵なポップスとの距離が自分のなかで重要なポジションにあって、特に大貫妙子というひとはいつもその上位にランクされているわけで。
今回はひょんなきっかけで、ドラマーの沼澤尚さん発、編集長hanasan経由で新ユニットの情報が入ってきて、そんなボクはもちろんふたつ返事で取材へ赴いた。
新ユニットの名前は『K' DO』。フランス語で"贈り物"を意味する言葉らしく、カタカナでどういう風に書いたらいいのか分からないけど「カドゥ」ということで良いのだろうか。ステージで妙子さんはギャグを交えて「先のわからない毎日が続きますが、カドゥは稼働します!」と言っていたから忘れませんわ。親爺ギャグかよ! って。
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しかし、まったくこの方のMCにはいつもずっこけさせられるし、かと思えばひとことひとこと芯に届く言葉をおっしゃるし...。そんな彼女のMCを聞いてボクはいつも思い出す一文がある。それは、最新のベストアルバム『Library Anthology 1973〜2003』の自身執筆全曲ライナー・ノーツ(これがまた素晴らしい)で"街"について書かれたもの。そこには、もう30年近く前に自分が書いた短めの歌詞を読んで「歌詞が、8行しかない!
歌詞の短さは、この時代から、あまり変わっていないようです」と洩らした一文がある。確かに事実彼女の歌は歌詞が短い。というより、"言葉少な"とでも言おうか、綴られた詞に宿るものはしかしその分"ふくみ"を持つわけで、ポップスへ向ける彼女の変わらない姿勢がこういったところから垣間見え、ボクはいたく尊敬してしまうのだ。
大貫妙子さんの話をするといつも長くなる癖があるようなので、ひとまずこのへんで。はい、カドゥです。会場はモーション・ブルー・ヨコハマ、激烈オシャレですわ、これ。以前モーガン・フィッシャーを観に来たときもここでしたが、やはり普段ドサドサしたところばかりふらついてるものだから居心地が悪いというかもぞもぞするというか。しかし、この日のお客さんもまた素敵な感じの方がたくさん。妙子さんが出てきても彼らはおしとやかな拍手でお迎え、その温かさにひたる自分である。和ましい。
紹介し忘れていましたが、メンバーがスゴいですよ、カドゥ。ベースに沖山優司さんときて、ドラムに沼澤尚さん、キーボードの森俊之さん、このふたりはマグで言うならSun PauloやTheatre Brookなどで演奏しているふたりですね。で、毎年恒例のクリスマス・ライヴで美しい演奏を見せてくれるフェビアン・レザ・パネさん。特に沼澤さんとパネさんのスゴさは目で確かめたことがあるので、このバンド、妙子さんのレコーデング・メンバーに収まることない"なにか"を見せてくれるんじゃないかと期待ウキウキです。 |
ふわっと始まるカドゥの演奏。そこに気負いは全くないように見受けられ、自然体の彼らが演奏するサウンドはまた美しいもの。キーボードのキラキラした電子音とぬくもりのあるピアノの旋律、ドラムのタイトなさばきも無邪気な表情を持ちながらとてもオトナな印象。そして、ベース・ラインにするりと乗る妙子さんの声は、やはり誰もがハッとする美声。たまらなく溢れる。
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「いずれこのメンバーでCDも作る予定です」というくらいだ。曲の完成度は非常に高く、この日披露されたと思われる数曲のオリジナル・ソングは大貫妙子のときとは少し違った躍動感のあるバンド・サウンドに仕上がっている。
また、彼女の曲も数曲披露されたのですが、それもまたクリスマス・アコースティック・ライヴのときとは違ったサウンドで、どちらかと言ったらCDに近い生き生きしたヴィヴィットなポップス。そして選曲もまた最高。「普段は歌わない曲をこの機会に歌ってみようと思いました」といって演奏された曲は、アルバム『コパン』に収録された"しあわせな男達へ"という曲で、「好きなことに打ち込んでカッコ良く生きている独身の方を思ってむかし作った曲です」という素敵MCをはさんでくれたため、歌の世界をいっそう深く楽しむことができた。しかも、大好きな"都会"まで聴けてとても満足! 最後までメリハリのきいたライヴらしいライヴで、大いに楽しませてもらいましたよ。 |
このバンドはまだ始まったばかりで、今は大貫妙子の曲やカバー曲(この日はバート・バカラックやキュートな"ネバー・オン・サンデー"という曲)、インストとごっちゃになっていたけど、近くこのバンドならではのセットリストでライヴを見せてくれるのではと思っています。だからこそ「今聴いておくべき!」というアレももちろんありますね。
というわけで、現在カドゥは横浜・名古屋・大阪とブルー・ノート・ツアーをやっています。これは必ず観るべしですから、ほんと。自分のコトバなど削れて消しゴムのカスにでもなってしまいそうだというのに、大貫妙子さんのコトバが持つ"時が流れても変わらない豊かさ"は誠にもって脅威。やはりロックも良いけど、歌も良いなと思うデスよ、ほんと。
report by toddy and photos by hanasan |
【大貫妙子の Pure Acoustic Christmas ライヴ】
11/28(月) 東京・東京国際フォーラム・ホールC
12/2(金) 鎌倉・鎌倉芸術館小ホール
12/4(日) 大阪・なんばHatch
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mag files : Teko Onuki (大貫妙子)
突然の贈り物 : (05/09/14 @ Yokohama Motion Blue) : review by toddy, photos by hanasan
妙子、たゆたう姿 : (04/12/23 @ Kamakura Geijutsukan) : review by toddy
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2005
厚み増す年輪、追いかけても回帰: あふりらんぽ (10th Sept. @ Tsujido Sputnik Cafe)
誤解上等、ズイノシンはパンクだよ: ズイノシン (9th Sept. @ Shibuya O-Nest)
危ないミライ、ヒカリは地下から: 危ダビ少年院 feat. コンチ、煙巻ヨーコ Session + 藤乃家 舞、オプトラム + カコイヨシハル(from ズイノシン)、エンジェル・オー・ディー、ノイナン、ガルペプシ、ディステスト (2nd Sept. @ 六本木スーパーデラックス)
ビールで酔いの宴: スペースシャワー列伝 第五十三巻 feat. カットマン・ブーチェ、サケロック、デパペペ (12th Aug. @ 新宿ロフト)
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季節がら入り混じりまして: Metalchicks' Pre-release Party feat. メタルチックス,ASA-Chang & 巡礼,にせんねんもんだい,キー (16th Jul. @ 渋谷ラッシュ)
コラム : 環境的音楽"オシリらんNOSIN (16th Jul.)
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凄く大きい音が出て、そこでマゾンナは...: 新宿ロフト 6th Anniversay "RHYTHM OF FEAR" feat. ザ・原爆オナニーズ、DMBQ and マゾンナ(21st May. @ 新宿ロフト)
い次元ワールド絶タイ楽しいYO=!: あふりらんぽ (20th May. @ 難波ベアーズ)
Interview : アメリカで名を挙げたPeelander-Z: Peelander-Z (17th May)
現実にペタペタ足つけて、踊りたいんだオレは : KAIKOO JAPAN TOUR feat. DJ BAKU、MSC、GOTH-TRAD、DJ KENTARO、韻踏合組合、and more... (13th May. @ 代官山ユニット)
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Down Beat Delux : ロッキン・イチロー・アンド・ブーギー・ウーギー・スイング・ボーイズ / モダーン今夜 (10th Apr. @ 川崎クラブチッタ)
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