Tonight's The Night Vol.7 @ Shimokitazawa Club Que (19th Aug '05)
Hiroya Komeiji
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シンガーソングライター、古明地洋哉。Magでは初登場だが、シングル、アルバム含めて10枚を越えるリリースにコンスタントなライヴ活動、裸の想いをはきだすような歌で「知る人ぞ知る」、という存在なのではないだろうか。ソロアーティストなので、ひとりでアコギを抱えて弾き語りの時もあれば、ヴァイオリンとふたりもありと、いろいろな形でライヴをやっているが、今回はドラム、ベース、ヴァイオリン(時に鍵盤、時にタンバリン)に自身のアコギというバンド編成だった。
古明地洋哉は、この日の対バンDUSKのジョウ氏いわく「暗くて、いい歌を歌う人」。CDの帯には"歌えない歌うたい"なんて書かれていたりして、これだけだと、どんなネガティヴな人なのよ!? と思われてしまいそうなのだが、ライウ゛はまったく暗くないのでご安心を。たしかに、超前向きなメッセージソングというわけではないのだけれど、誰でも「あ、それわかる。そう思うことあるよね」と共感できる歌を歌う人なのだ。変にひねったり、飾ったりしない言葉を投げ掛けられるから、余計にそう思うのかもしれない。
今回のライヴでは、バンドの音にのせて、彼の内側にある激しい部分とロックなテイストを強く感じることができた。気持ちを昂ぶらせるようなヴァイオリンの音に、ソリッドなベースソロ。5月にリリースされた"空砲"で「僕のメロディーは君を撃ち抜かないのかな」と歌っていたけれど、今日、この会場でバンドサウンドに負けない声で力いっぱい放たれた歌は、会場にいた人の胸を十分に撃ち抜く響きを持っていた。このメンバーでの活動はしばらく続くそうなので、ガツッと古明地洋哉の世界を感じたい人はぜひライウ゛に足を運んでみてほしい。
ラストはヴァイオリンとアコギのみで"想いが言葉に変わるとき"。この曲を聴いて、この人は話す言葉とか、キャラクターではなくて、純粋に音楽で周囲との繋がりを作って行く人なんだな、と思った。新曲では新しい一面を見せながらも、古明地洋哉というアーティストが表現したいこと、根っこの部分は変わらない、というのが見えたラストだった。
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photos and comment by wacchy
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