Bandwagon @ Shimokitazawa ERA (18th Jul '05)
BANDWAGONとはいかなるヤツらか?
「ロック」がありきたりになってきてる今、果たしてそれが音楽の何を指すのかがわからない。スカやレゲエにしても"Rock Fort Rock"や、"Revolution Rock"なんて曲がある。もちろんこれらはアメリカで生まれたいわゆるロックンロールではない。ゆったりとした間があって、トルクでグイグイ駆け上がる何かがある。8ビートだからロックなのではなくて、前へ前へと進む(もともとは猥褻な俗語)姿勢や向上心、「楽しい」といったメンタル的なものが最もうまく当てはまるのかもしれない。とすると以前、安藤"ANDY"広一氏と話をしたときに彼の口から発せられた「ウクレレ一本のつじあやのもロックだと思ってる」の言葉や、クラブではしゃぎながら「Yeah! Rock'n'Roll!!」と叫ぶキッズの言葉が俄然意味を持ってくる。
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楽しみは幸せを生み、いつまでもロールする。それを体現しているのがBANDWAGONというバンドなのだ。ヴォーカルである奈武川氏のMCには、裏表のない「ありがとうございます!」が必ずといっていいほど登場し、先に述べた理屈がうまい具合に当てはまる。最近のmagは、バンド名が面白すぎて理解不能→なんだこいつら→レポを見る→名前に負けないインパクトがビリビリと→ライブ行ってみたい/見てみたい、の流れがうまく機能していて喜ばしいが、このBANDWAGONは逆で、名前から想像してみることにより、まだ見ぬ人たちの中で世界が広がるバンドなのだと思う。仮に「ワゴン」がハイエースを指すならば、それにムチを入れワイワイガヤガヤと高速を飛ばして遠征、といった画が浮かび、さらに飛躍してショッピングカートと例えてみれば、CDを矢継ぎ早に放り込んでは次作の血肉としてしまう感じだ。だから、D.I.Yを実践したツアーでビルドアップし、現在レコーディングに突入しているというBANDWAGONからいかような楽曲が生まれるのかと興味津々なのだ。
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"Shock And Shocking Anthem!!!"は、地団駄もしくはバンブーダンスのように地面を打ちつけるようなビートが叩きだされ、それを追いかける形で手拍子が鳴らされた。さらにあいの手が絡むことにより、ナチュラルな37度の熱気が漂ってきた。2回のロールだけで肉感を存分に感じたあと、スティックとピックがいっせいに激しい上下動を始めれば、喜怒哀楽がいりまじった感情がストレートに皮膚を突き刺してきた。柔らかな感触と手のひらをかえしたような鋭い感触が同居する、ビックリマークが3つもついた叫びとも宣言ともとれる曲はいとも容易くオーディエンスを煽動していた。"Rock The Casbah"で「The Sharif don't like it」と、たとえシャリーフが気に入ろうが気にいるまいが、カスバの住人=オーディエンスが目を丸くし、見事に揺さぶられる様子はいつ見ても心地よいものだ。
8月からはコンスタントにライブをしていくようで、まだまだ力をつけていきそうな勢い。しかもレコーディングもしているというから、、その向上心たるや、尊敬せずにはいられない。誘われたら受けてしまう、望むところのアウェー戦。HOLSTEINの企画ライブ@代官山UNIT(なんとSMASH)なんてオサレなハコでむしゃぶりつくバンドの長所をガツンと見ていただければ嬉しい。飾らずに、リアルを吐き出すライブを見せつけて、まだ彼らを知らないオーディエンスを片っ端から喰っちゃいな! と思ってしまうのだ。
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report by taiki and photos by sama
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