Metalchicks' Pre-release Party feat. メタルチックス, ASA-Chang & 巡礼, にせんねんもんだい, キー @ 渋谷ラッシュ (16th Jul '05)
季節がら入り混じりまして
もう7月も半ばに入り蒸し暑い日とカラッと暑い日が交互に訪れ体調を崩しがちな日々が続きますが、この日ボクが行ったイヴェントはまさしくそんな感じで音楽的な移り変りの激しいものだった。「こっちの体調気にしてくれてんのかい!」と言いたくなるほど。でも、こういった様々な音楽が入り混じったイヴェントというものをボクは凄く好んでいるし、アーティスト・観客双方に対して意味のあるものだと常に思っている。刺激という点でもちろん、それぞれのバックグラウンドを考えるとなかなか面白いからだ。
この日はじめて訪れた渋谷にあるLushというライヴ・ハウス、宮益坂をのぼっていって途中の路地を入ったところにある地下の空間なんだけど、すごく綺麗でこじんまりしてて良いハコ。音に関してはちょっと高音がバキバキ言ってるなぁと思いましたが。基本的には爆音でステキ。
最初はにせんねんもんだいというバンド。女性3人で見かけ凄く頼りないんだけど、音を出してしまえば逆にぶっとい連携みたいな繋がりがぐいぐい観客を引き込んでいく熱いインスト・バンド。去年あたりからめっちゃ注目されていて、これはほんと問題児やと思いますよ。
何が凄いってギターの金属感がね、キンキン言ってるんですよ! 金属の弦がまさしく振動する音で、町田町蔵がやってたINUの北田昌宏に近いものを感じる。常に変わり続ける感じがあるし、今後何度も観ることになるであろうカッコイイひとたちです。ライヴ終了時の「ありがとうございました」が非常に弱々しく、なんかキュンとしてしまう点も大いに魅力。
The latest album : 『それで想像するネジ』 mag files : にせんねんもんだい
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次、Kiiiiii。もう、なんていうかビックリしたよボクは。これまでけっこうな数のバンドを観てきたけど、あなたたちが優勝。過去最高に音が少ない! スカスカじゃん(笑)! スカスカジャンっていうバンド名でもいいんじゃないの? なんて。でも、音の数を問題にしてるんじゃないんだな、このひとたちは。なんか知らないけど凄い勢いがある。ここまでの話じゃ全然イメージが湧かないでしょうが、こっちも最後までイメージなど湧きませんって。
まず、ステージをめいっぱいファンタジー・テイストにしてボクらの平衡感覚を失わせる。スター・ウォーズのR2D2やナイキのスニーカー……ん!? アメリカ? 直感でアメリカを連想するセサミ・ストリート・ザ・ワールド! 歌はなんだ、チアガールのようなキレ味鋭いダンシングにおもちゃで演奏もあって、たしか全て歌詞は英語で、ハキハキorムーディの行ったり来たり。大根のシャキシャキ感に近い爽やかさ!? やたら元気だから、にせんねんのひとたちのように身体の心配がいらない健康系バンド。いい歌が多かったので、またちゃんと歌を聴いてみたいと思ったのでした。
mag files : Kiiiiiii
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どんどん行きます、次ぃ。ASA-Chang & 巡礼、相変わらずゆるい空気を醸しておりました。ライヴが始まる前からブラック・ライトが用意されたり、タブラが置いてあったり、楽器の多さや仰々しさに興奮するボクにとってはウキウキワクワクの大奉仕ですわ。
まず観客を座らせる。で、本人たちは煙草をスパスパやりながらチューニングしたり機材をいじったり、油断も隙もありまくり。中心にドカンと据えた機材システムは"巡礼トロニクス"といって、タブラやラッパの音に同期して打ち込みサウンドがポンポン切り替わるという優れた代物。音ネタとしてレギュラーの"あるある探検隊"がサンプリングされていたのは最高だったし、U-zhaanさんのタブラは何かしら内職30年のおばさん級の超絶テクで、カラダの芯から躍動させてくれる。2年ぶりくらいに観たけど、またすぐ観たいと思ったです。
The latest album : 『みんなのジュンレイ』 mag files : ASA-Chang & 巡礼
最後、Metalchicks。愛して止みませんよこのバンド! ドラムの吉村由加さん、ギター&機械のシュガー吉永さん、ふたりともカッコイくて、メタルとかダンス・ミュージックとかありありです。今回のイヴェントは彼女達のファースト・アルバム・プレリリース・パーティーということで、アルバムは7/27に発売します。みなさん聴いてみましょうね。
で、ライヴは男前のひとこと。よっちゃんのドラムっていつも楽しそうで、でも力強くてしなやかで……いつも元気をもらってます。音的なところで言うと、しっかり狂いの無いリズムでいってくれるから、スウィングが止まなくて踊っている感覚が常にある。そこでシュガーさんが登場してギンギンに行くわけで。とにかく弾き方ですね、メタルとは何たるものかと……シュガーさんは本物のメタリストですよ! Helmetばりのカッチカチ鋼鉄サウンド、Black Sabbathばりの怨念ヴィブラート、この2点は特にお気に入りです。サンプラーから流れるキラキラした音にポップな一面をのぞかせたり、とても楽しい音楽なのですMetalchicks。
Metalchicksのライヴ中、Kiiiiiiのu.t.さんが無邪気に踊ってる姿がとても印象的で、こういった楽しくて雑多な音楽が入り混じるイヴェントの価値を改めて考えさせられた。観てる側としても一瞬でさえ飽きがくることはなかったし、四季のある日本を思わせる豊かなイヴェントだと思いました。
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report by toddy and photos by saya38
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