MONG-HANG @ 下北沢ERA (18th Jun. '05)
白と緑が危険にみえた夜だなぁ
ライヴが終わって帰り道。下北沢から我が家への道すがら、そびえ立つ建造物の脇にある木・草・葉、そういった植物が楽しく見えた。そして同時に、木陰からヒョコっと変人が顔を出すのではないかという足らぬ不安、危険、おかしさ。ちょっと込みあげながらの帰路は楽しいものだった。遊泳するイメージ、飽きがこない。
はじめてのMONG-HANGを目撃して色々なことが頭をめぐる。事前に入っていた情報を簡単にまとめるなら、"演奏がめちゃうまい"とか"コトバが変"とか、単純に"変態"とか、そんな感じだろうか……しかし、まだ足を運ぼうとは思わズ。"変"とか"うまい"だけでは動かなくなっていた自分に「観よう!」というきっかけを与えたのは、Peelander-ZとのインタヴューであがったMONG-HANGの名だった。MONG-HANGとPeelander-Zがアメリカで接触していたという話だ。こうやって音楽をつなげていくのは気持ちが入るから好きなのです、ボクは。
詳しい話は省略するけど、現在アメリカを活動の拠点としている素晴らしいバンドPeelander-Zは、MONG-HANGのアメリカツアーをいくらか模倣した形で地方展開を行ったと告白している。MONG-HANGがアメリカ経験有りなんて知らなかったので一気に興味倍増。いろんな角度でバンドが観れると思った。軽い足取りで会場へ向かう。
この日は彼らの自主企画だったようで、入口に草が……葉っぱ芳しき。調子よく中に入ると、Tsuki No Waというバンドが演奏していた。
『Moon Beams』というアルバムが一番新しいだろうか、このジャケットがまた美しい。そのためTsuki No Waという名前は記憶にあって、ライヴも期待していたのだが、こ、コレは! という衝撃。決してアツくならないインタープレイと浮遊感たっぷりのヴォーカル、歌が流れてくるような印象。序盤から観客を座らせたのもナイス。ボクの知る限りではラブクライが一番近いけど、静かでもっと歌が聴ける所は音響派と言われる所以? 熱が無く荒涼なイメージは、まさしくTsuki No Waという名に表されている。CD買って聴きたくなった。オススメ。
そしてMONG-HANG。観客側から鈴を鳴らしてやってきたが、その白装束姿も相まってさながら百鬼夜行。「う〜う〜」とお化けみたい。セットチェンジの間も気になっていたが、メンバーがそろうと楽器の多さが目立つ。打楽器が豊富で、鉄琴やスティールパンのようなものは特に目を引く。そんなナチュラル武装された楽器群をよそに、フライングVのギターや変なベースもある。
音は、んんん、なんだろう……いっぱいやってる(笑)。ちょっとビックリするくらい。ロックもあればジャズもあって、気を抜いてたらディスコもやってきて。あの格好でディスコティックなノリは無しでしょ! とにかく音楽を縦横無尽に渡り歩いて、当の本人、BA(Vo)はそりゃもうゴキゲンな様子。ロボットのようにカチカチだったり、軟体動物のようにふにゃふにゃだったり、ときにハードゲイのような卑猥さがあったり。気持ち悪いぜ兄さん!
そして、演奏テクは凄いですよやっぱ。あんだけ親自然派っぽい格好していながら、有機的な感じがしないですもん。プログレって言われてるみたいだけど、ボクは違うと思う。もっとテクノとかに近い気がして、角が立ってるというか。エフェクトの種類も多くないみたいだし、YAMAHAのCMとかみたいに表情の無いシャキーンとした演奏が頭に浮かぶこともしばしば。恐ろしく凄いと思う。これをBGMにしてあの白装束が呪術的にイかすわけだからダンスですよ、ダンスミュージック! 最後の最後まで有機と無機の狭間で踊らされたような、そんなシテヤラレタ感漂うライヴだった。
「いろんな角度で観れるような気がする」という話をしたものの、バンドの多様性に追いつけずまだ核心に迫った気がしない。Peelander-Zはアメリカで、よりベタなパフォーマンスを身につけたというが、MONG-HANGもまさしくそれのような気がする。カラダの動きをみんなで合わせたり、練習風景を想像するととっても愉快。ベタに笑えるんだけどそれだけじゃない深さがあるような気がして、それを多様性だと思ってるわけですが、どうなんだろう。惑わされてるなぁ。不思議なバンドだなぁ。
写真は04/05/25東京公演のものを使用しています。
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report by toddy and photos by nachi
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