buttonデイト・コース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン
@ 渋谷クアトロ (6th Jun '05)

カオス:あるいは、錯乱せる自然
 仕事が終わって駆けつけたのが、19:14。この時点で既に始まっていて、終ったのが22:12頃であるから3時間もライヴをしていたことになる。だけど、全然時間の長さを感じさせないライヴだった。現時点で今年のナンバーワンのライヴである。

 渋谷クアトロはお客さんがいっぱいで、自分が入ったときには頭しか見えない状態。このバンドは、菊地成孔のアクションを観ながら楽しむものだと思っているので辛い。時間が経つにつれて視界が良くなってきたのであるけど、菊地成孔を始めとするメンバーが、てんでバラバラなことをやりながら、ひとつにまとめ上げると思いきや、大きな構造物を作りあげては壊し、ズラしていくようなライヴの様子は、やっぱりステージの全貌が見渡せないと面白さが半減(ってことはないな。4分の1減くらいか)してしまうんだなと感じた。背の低い、特に女の人たち視界をふさいでごめんなさい。

 総勢14人(いや、13人?柱で見えないところがあったんで。あー、やっぱり全貌が見えないとダメだなこりゃ)という大所帯のバンドが繰り出す、ジャズ、ファンク、アフロ、インドを混ぜ合わせ、こんな奇怪な変拍子の音楽でクラブ好きな兄ちゃん姉ちゃんまで踊らすバンドは他にない。こんなバンドは一昔前ならプログレ好きのマニアにしか受けないはずなのに、このクアトロに人いっぱい、そしてフロアから歓声が上がり、踊りまくるという状態はどこがどうなってこんなふうになったのか、この国では一体何が起こっているのか、いくら考えても、全く分からない。だから、もー面倒くさいんで、おれも体を動かしちゃえとなるのだ。

 錯乱する自然であるカオスを音楽で作り上げたかのようなフリーな音が飛び交うパートから、徐々にファンクに収束していく展開にフロアも盛り上がる。"構造1"のイントロはいつ聴いても美しいとすら思う。そこから変拍子になっていき、再び戻り、自在に変化するところが、水銀のように軽やかに変幻して走り抜けていくDCPRGの演奏なんである。そして、ビージーズの"STAYIN'ALIVE"をトロトロに溶かしたようなカヴァーなんだが、その極端に遅い"STAYIN'ALIVE"は、速いだけがスピードじゃないんだよと、戦慄すべき速度を孕んでいる。そして、"CIRCLE/LINE〜HARD CORE PEACE"でのクライマックスは凄まじいものだった。フロアではお客さんたちが飛び跳ね、バンドとお客さんが作りあげるカオスが渦巻いていたのである。

 アンコールは、まず菊地成孔が一人で登場して、ドキュメンタリー番組の収録中だという話をする。トークで笑いを取りつつ、メンバーひとりひとり丁寧に紹介して"構造4"の後半と"MIRROR BALLS"。"MIRROR BALLS"のときは、まさしくミラーボールが回転して、メタリックな多数多様な光が散乱して会場を満たす。どことなくノスタルジックな、長いドラマのエンディングテーマのようでもあるこの曲で、ライヴを締めたのであった。「ミラーボール、あの装置はすごい。あれを発明した人にはノーベル平和賞を上げるべきだ」という言葉を残してステージから去っていたのである。
report by nob
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buttonカオス:あるいは、錯乱せる自然 : (05/06/06 @ Shibuya Club Quattro) : review by nob
button音楽の隠喩としての建築 : (04/02/17 @ Shibuya AX) : review by nob
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