button 激初期衝動シンポジウム Vol.4 feat. ロスト・イン・タイム
ファック・ユー・ヒーローズ、ピールアウト
@ 名古屋ハックフィン (26th May '05)

PUNK=楽しむための音楽


 1年前、このイヴェントの東京公演を見終わった後に思ったことは「また観たい。いや、きっと観られるはず」だった。ロスト・イン・タイム+ファック・ユー・ヒーローズ+ピールアウト。普通に考えたらつながらない3バンドの組み合わせが実現した"激初期衝動シンポジウム"。そこで体験したクロスオーヴァーな空間が楽しすぎて、忘れられなくて、そういう希望が芽生えた。そして、その思いは本当になった。

ロスト・イン・タイム  5月26日、イヴェント初日、名古屋。ステージに現れた3人の男達が手を打ちあわせ、「激初期衝動シンポジウム、ロスト・イン・タイム、はじめます」の声で1年ぶりにこのイヴェントが始まった。Vo.海北大輔の歌はまぶしい。声と一緒に身体から光るものが溢れ出てくるようにみえる。童顔でほわっとした雰囲気なのに、鋭く激しい力がおしよせてくるのだ。今回の出演者の中では一番おとなしいバンドなのだが、メッセージの伝達力は一番あるように思える。この歌力はこれから大阪、東京と続くツアーをスタートさせる原動力になりそうだ。

ファック・ユー・ヒーローズ  2番手ピールアウト、この日は勢い重視のギターセットだ。"Against"から始まったライヴは、1曲目から急ブレーキをかけても止まれないくらいのスピードと重量感があった。このイヴェントがまた名古屋にやって来るのを待っていたであろうファンも狂ったように頭を振っている。「ピールアウトが大好きだ!」という気持ちを身体で表しているかのように。"心臓が動き出すとき"では、いつも向かって右手でベースを操りながら唄う近藤さんが岡崎さん側のマイクまで移動してきた。そして、そのままスピーカーによじ登る。いままで、ピアノの上に乗る光景はみていたけれど、ここまでやってくれるとは?。ホントにこれはピールアウトなのか? いやいや、これが今のピールアウトなのだ。

ピールアウト 汗だくのまま、MCもなしに突き進んで、超速ナンバー"響音狂鳴"、"LIGHT FOR YOU"へ。この流れが翌日の大阪、3日後の東京でビッグウェーブとなって押し寄せることになるとは?。この時には想像すらしていなかった。何があったか、はこの後のレポートを読んで欲しい。ひとまず、名古屋でのピールアウトはそつなく終了。最後の"QUEST"まで途切れることのなかった勢いに、まるでアンコールのような拍手がおこっていた。

 フロアがぐっと男臭くなって、たばこの煙が一段と濃くなった。次に出てくるバンドファック・ユー・ヒーローズはこういうワルそうな雰囲気がよく似合う(と勝手に思っている)。暴れるためのスペースも十分、後は音が鳴るのを待つばかり。お待ちかね、メンバーがステージに上がり、ドカーンとライヴが始まると狂宴の渦ができ上がった。Vo.RYOSUKEはマイク食ってるんじゃないかと思うような歌いっぷり(叫びっぷり?)。演奏しながらダイヴはするは、お客さんは慣れた様子でそれを担ぎ上げるは、とにかくパワーが半端じゃない。

ピールアウト そんな様相をみながら「これは暴れるための、壊れるための音楽だ」と思っていた。でも、「PUNKはジャンルじゃないから。オレ達が音楽楽しんでるってことを証明してやる」というMCの後に始まった出来事で見方が変わった。ロスト・イン・タイムから海北さんが、ピールアウトから岡崎さんが呼ばれ、バンドとジャンルの枠をとっぱらった一大セッション開始。これは、1年前の東京公演でも見た光景。 待ってたんだ、このフェスっぽさ、これがまた観られる瞬間を! せまいスペースでお互いがぶつかりあってもめちゃくちゃな笑顔で弾けている姿を見ていたら、こっちまで楽しくなって「PUNKは壊れてるだけじゃない、楽しむための音楽なんだ」と思うようになった。ロスト・イン・タイムでも、ピールアウトでも、ファック・ユー・ヒーローズだけでも創れない音楽。それが、この場所にはあった。1年前に体験したことが再現されたような、まだまだ、それらを越えることがこれから起きそうな、そんな予感でいっぱいになったツアー初日だった。



写真は5/27大阪公演のものを使用しています
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