Jack Johnson w/G.Love & Special Sauce @ Tokyo Shinagawa Prince Stellar Ball (25th May '05)
プライベートビーチへ行ってきました
- Part2 -
Jack Johnson
ビッグウェーブの恩恵を受けられると信じ、前方ではしきりにワァワァキャアキャアと喜んでおりまして、天井が高いせいか野外フェスのように際限なくこだましていく。でもここは波打ち際、言うてもざざぁん…どころか来ちゃったよ、Jackの登場からコンマ3秒でドドドと鎌首が!
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シンバルの振動がザワザワと木々が擦れるような音を生み、Jackの手がコツコツとアコースティックギターの表面をゆっくり打ちつけると、僕らの体内時計の秒針はそれと同調していき、いつしか彼の体内時計がハコ全体の基準時となった。ハスキーというほど太くもないし、どちらかというとややかすれた感のある女性的な歌声であるが、それをコンプレックスにするどころか、逆になみなみと自信が溢れていて、威厳すら漂う。
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フォーキーな質感を軸にして、後ろの壁際に至るまでてんやわんやな状況を生み出す奴は果たしてどんな顔をしているんだと、大して精密でもない目を必死に凝らして凝視してみたら、あれまぁ、絵に描いたようなハンサムガイじゃあないですか。おまけに目を瞑って酔いしれてやがる。まぶたの裏側にはハワイーの、おそらく「リリィ」だとか「ステイシー」といったセクシーな女性の名前を冠した大波が、スライドで映し出されているのだろう。
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Jack Johnson
うっかり見過ごす所だった重要人物・Money Markがピアノで参加していてパランポロンとキーを叩けば、Jackもつられて微笑み返し。ギターをつま弾く指の流れもスムーズだ。SUBLIMEの"Badfish"のカバーでは、これからという時に亡くなってしまったヴォーカリスト、Brad Nowellに対するリスペクトを胸に抱きながら、ぶつ切りの肉をコーラとともに煮込むようなアメリカ西海岸レゲエサウンドのレシピをアレンジし、ハーブの清涼感やオリーブで料理していく。
G.LOVEが加わってのスペシャルセッションではラップと歌が交互に入り交じって、濃ゆいひとときを存分に味あわせてくれたし、さりげないアクセントに気取らない人としてのカッコ良さが表れていた。Jackのプライベートビーチには、いつまでたっても形が崩れない波が確かに存在していた。
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report by taiki and photos by yusuke
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